本紙「正論」の執筆メンバーで精神科医の和田秀樹さんが映画を撮った。その名も「受験のシンデレラ」。東大医学部を卒業し、受験指導のカリスマとなった男が、末期がんで余命いくばくもないことを告げられる。男は家庭の経済的事情で高校を中退した少女を東大に合格させることに自分の最後の日々をかける。和田さんはそんなドラマに格差社会や終末医療といった現代的テーマを盛り込み、努力すること、生きることの意味を問い掛ける。 受験指導本で数々のヒットを飛ばし、「受験の神様」の異名を取った和田さんでなければ撮れない作品だろう。 「目指したのは受験版『あしたのジョー』です。日本の青春は、受験抜きには語ることができないと思う。ところが、ドラマになるのはスポーツや恋に熱中する青春が大半。受験勉強に励む青春というのは、大人の言いなりになっているようで、ドラマにはならないと、大人が勝手に思い込んでいるのではないでしょうか」と和