『村上春樹の100曲』 栗原裕一郎=編著 立東舎 1944円(税込) ※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします 新刊を出せば必ずベストセラーになり、ノーベル文学賞候補になれば受賞するかどうかが街の話題になる。いまの日本で「知っている作家は?」と聞けば、真っ先に村上春樹の名を挙げる人も多いであろう。 本書は、村上春樹の小説作品に出てくる音楽を取り上げ、その役割や意味を論じるものだ。5つのジャンルで、計100曲が紹介されている。 春樹と音楽の関係 「春樹と音楽の関係で、もっとも有名なのは『ノルウェイの森』ですね。冒頭の飛行機の場面で、ビートルズの『ノルウェーの森』が流れます。ほかにも何度か出てきますが、カバーバージョンばかりで1度もオリジナルは流れないんですよ」 と、編者の栗原裕一郎さんは言う。 栗原さんは高校生で『羊をめぐる冒険』を読み、その後は春樹の新刊が出るた