電子図書館がみる夢 下:情報の海に人知が挑む(1/3ページ)2010年3月23日10時56分 大手出版社ハチェット・ブック・グループのマヤ・トーマス上級副社長=米ニューヨーク市 スタンフォード大のマイケル・ケラー氏。後ろにあるのは蔵書を電子化するためにスキャンする機械=米カリフォルニア州のシリコンバレー、いずれも赤田写す ニューヨーク公共図書館。日々寄せられる、多くの質問にサービスのスタッフが答えている=米ニューヨーク市 本や雑誌の電子化が進み、私たちが文字通りの電子の図書館を手にする未来。無限ともいえる膨大な量の情報にアクセスできるようになったとき、人間の知的な営みはどう変わり、どんな社会になっているのだろう。 ■「異文化の流通」が肝要 「100年後の人々は、もう長編小説なんか読まなくなるんじゃないか」 米国サンフランシスコ市在住の作家マーク・コギンズさん(52)は、そんな不安を最近強く
昨年、ノーベル物理学賞を受賞した小林誠、益川敏英両博士の論文も掲載された理論物理学の学術論文誌「プログレス・オブ・セオリティカル・フィジックス」が、危機に陥っている。「補助金がこのまま減れば、存続も危うい」。編集長の九後太一(くごたいち)・京都大教授は、台所事情の苦しさを訴える。 プログレス誌は、日本の理論物理学の成果を世界に発信しようと、湯川秀樹博士が呼びかけ、終戦翌年の1946年に創刊した。 敗戦国と見下された日本の成果を、正当に受け入れる欧米の学術誌は少なかった。優れた成果を素早く発信するには自前の学術誌が欠かせなかった。 創刊号には、ノーベル物理学賞を65年に受賞する朝永振一郎博士の「くりこみ理論」に関する論文が載った。現在は同大の理論物理学刊行会が年12回発行している。 しかし、競合誌も増え、発行部数は約800と最盛期から半減。年間6000万円の経費をまかなうため、1600万円の
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