京都大は26日、霊長類研究所(愛知県犬山市)を改編する方針を明らかにした。霊長研を巡っては、京都大が昨年、元所長らが関わったとする研究資金不正を公表し、その後、組織再編に向けて検討を進めてきた。
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黒枠のラベルは、コンテンツホルダー自身が付与したものです。グレー枠のラベルは本文解析で自動付与されたものです。 京都大霊長類研究所のチンパンジー飼育施設工事を巡る研究費不正疑惑で、京大の調査委員会が教員4人による研究費約5億1千万円の不正支出を認定する報告書をまとめたことが17日、関係者への取材で分かった。京大は返還を求め提訴することも検討している。 関係者によると、関与したのは研究所長も務めた松沢哲郎特別教授ら。愛知県犬山市や熊本県宇城市の飼育施設の工事など、2011年以降に結ばれた100件の契約を調査し、計34件の不正使用を認めた。 内容は架空取引が14件で計約4800万円、入札妨害が7件で計約4億4千万円など。私的流用はなかったとみられる。
佐藤弥 こころの未来研究センター特定准教授らの研究グループは、食物に無意識で感情を感じる脳内メカニズムを解明しました。 食物への感情処理は、ヒトの生活において重要な役割を果たしています。心理学研究は、そうした食物への感情処理が、無意識のレベルでも起こることを示していました。しかし、そうした無意識レベルの食物への感情処理を実現する神経メカニズムは不明でした。 本研究グループは、日本人22人を対象として、無意識的にあるいは意識的に呈示された食物画像に対する脳活動をfMRI(磁気共鳴機能画像法)で計測しました。 その結果、無意識的と意識的のどちらの条件にも共通して、両側の扁桃体が食物画像に対して活動することが示されました。扁桃体は、脳内の感情中枢とされる部位です。意識的な条件のみで、新皮質の広い領域が食物画像に対して活動しました。扁桃体がどのような視覚経路で活動するか調べると、無意識的な条件では
伊勢武史 フィールド科学教育研究センター准教授と大庭ゆりか 同特定助教は、過去の気温データから生成した疑似カラー画像をディープラーニングで学習させるという新発想により、シンプルな作業を小型のコンピュータで実行するだけで、10年間の平均気温の上下を最大精度97.0%で推定できる手法を開発しました。 これまで、気候変動の予測はスーパーコンピュータを用いた物理計算が主流でしたが、それは大型の国家プロジェクト級の予算とマンパワーを必要としていました。 従来の「ボトムアップ(物理)型」研究とは異なる「トップダウン(統計)型」研究の有効性が実証されたことにより、気候変動予測の高精度化が可能になることに加え、さまざまな学術研究や将来予測に人工知能が活用できることが示唆されます。 本研究成果は、2019年4月26日以降に、国際学術誌「Frontiers in Robotics and AI」のオンライン版
小林和也 フィールド科学教育研究センター講師は、性淘汰のうち特に「性的嫌がらせ」(生まれてくる子供の数が減ってしまうかわりに競争相手よりも自分の子供の割合を高める性質)が、生物多様性を維持している可能性を理論的に示し、シミュレーションによってこの理論が上手く機能することを示しました。なお、本研究における「性的嫌がらせ」とは、自然界の繁殖行動上の現象を示す生態学の用語であり、社会問題としての「性的嫌がらせ」(セクシュアル・ハラスメント、セクハラ)とは一切関係ありません。 本研究成果は、2018年11月14日に英国の国際学術誌「Journal of Ecology」にオンライン掲載されました。 自然界には多種多様な生き物がいますが、それらの生き物の特徴的な色や形の多くは繁殖に関わる性質です。特に種類を見分けるのに役立つ性質、例えば植物の花の形や鳥の鳴き声は、まさに生物多様性の中心的存在です。そ
矢代敏久 農学研究科特定研究員(現・シドニー大学研究員)、松浦健二 同教授、小林和也 フィールド科学教育研究センター講師らの研究グループは、本来はオスとメスが共同で社会生活を営んでいるシロアリにおいて、メスしか存在せず、単為生殖だけで繁殖しているシロアリを世界で初めて発見しました。 本研究成果は、2018年9月25日に、英国の科学誌「BMC Biology」のオンライン版に掲載されました。 アリとシロアリの社会の違いは何かと聞かれた時に、まずお答えするポイントは、アリはメス社会、シロアリは両性社会を営んでいるということです。アリの社会は女王とメスのみのワーカーで構成されている(オスは交尾すると死んでしまう)のに対し、シロアリの社会には王と女王、そしてオスとメスのワーカーや兵アリがいます。 しかし、この大前提はもはや適当ではなくなりました。なぜなら、シロアリであるにもかかわらず、メスしかいな
真っ暗闇でハエを飼い続けたらどんな変化が起きるか。京都大で60年以上続く、比類ない研究が窮地に陥っている。研究成果が脚光を浴びながら、中心的な研究者が3月末に京大を離れることになり、後継が決まらないためだ。 光の届かない洞窟にすむ生き物は、目の退化や体が白っぽいといった特徴がある。こうした遺伝的な変化を実験で検証しようというのが「暗黒バエ」プロジェクトだ。京大教授の森主一さん(故人)が1954年11月から始めた。 体長数ミリのショウジョウバエを、光が入らないよう厚い覆いをかぶせた鍋の中の牛乳瓶で計100匹ほど飼育。瓶にはエサを含む寒天が入っている。瓶の入れ替えは、ハエの目に見えない赤色灯をともした暗室を使う。 ハエは約2週間で世代交代し、今月18日現在で1505世代に達した。普通のハエと見た目はほとんど変わらないが、2008年に研究を引き継いだ3代目の研究員、布施直之さんによると、暗黒バエ
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