Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 香港城市大学、中国科学院、Shenzhen Institutes of Advanced Technologyによる中国の研究チームが開発した「An agglutinate magnetic spray transforms inanimate objects into millirobots for biomedical applications」は、糸や紙などの材料に吹き付けることで移動可能な超小型の(1cmに満たない)ミリロボットに変換する磁気スプレー技術だ。このミリロボットは磁場で駆動し、転がる、泳ぐ、這うなど移動ができる。人間の体内でも移動できることから、カテーテルナビゲーション
窪田製薬ホールディングス(東京都千代田区)は5月18日、子会社のクボタビジョン(米国ワシントン州)が、特殊な光で目に刺激を与えるアクティブスティミュレーションの効果検証を行い、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)の短縮が確認できたと発表した。この技術を生かし、近視の予防や治療に使えるメガネ型デバイスの開発を進める。 近視の多くは、眼軸長が伸び、眼球の中で焦点が網膜より手前になることで引き起こされる。眼軸長は年齢とともに伸びるか成長が止まるが、それを「初めて逆に動かした」のが今回の技術だ。 クボタビジョンは、人種の異なる21〜32歳の男女12人(近視患者)にアクティブスティミュレーションの試作機を使用させ、「人工的な光により、対象眼と比較して眼軸長の短縮を確認した。世界でも前例がない」としている。詳細なデータは論文として発表する。 ただし、一回の治療に数時間かかるため、試作機のような卓上型デバイ
新型コロナウイルスの猛威は収束するどころか拡大の一途を辿り、世界を覆い始めている。イタリアでは累計の死者が中国を上回り、収束の気配は一向に見出せない。世界中の医師が患者を救うため様々な取り組みを行う中、日本の医師が自らの研究成果を無償で提供し、人工呼吸器不足にあえぐ地域への迅速な供給体制を整えようと動き始めている。 国立病院機構・石北直之医師開発の「3Dプリントできる人工呼吸器」 取り組みを始めたのは、国立病院機構新潟病院 臨床研究部医療機器イノベーション研究室 室長の石北直之氏。小児科医として小児のてんかん患者への早期治療を行いやすくするため、手動でガス麻酔を可能にする「嗅ぎ注射器」の開発を思いつき、株式会社ニュートンと共にプロトタイプを開発した。てんかん発作への最終手段とされるガス麻酔を、簡単で誰もが使える機構の「嗅ぎ注射器」を開発することで、治療の質を改善しようとしたのである。 この
【2月19日 CNS】人工知能(AI)が新型コロナウイルスによる肺炎との闘いで「新兵器」になりつつある。阿里巴巴(アリババ、Alibaba)は15日、アリババ系研究機関の「達摩院(DAMO)」が、クラウドサービスを主業務とする阿里雲(Alibaba Cloud)と共同で、新型肺炎に関する新しいAI診断技術を開発したことを明らかにした。 このAIは、新型肺炎の疑いがある患者のCT画像を20秒以内に判読できる。分析結果の正確度は96%に達し、診断効率を大幅に引き上げることが可能だ。16日より運営を開始した河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)の「小湯山(Xiaotangshan)医院」では、このアルゴリズム補助による臨床診断を導入済みという。 新型肺炎の流行初期では、確定診断のサンプル数が少なく、医療機関では高水準の臨床診断データが不足していたため、核酸検査を病原学的証拠として診断の
京都大のチームは16日、治療が難しい糖尿病などによる皮膚潰瘍や重度の熱傷などへの治療効果が高い人工皮膚を肌着大手グンゼと共同開発したと発表した。時間をかけて薬剤を患部に浸透させる機能があり、従来の人工皮膚より治るまでの時間が数倍早く、薬剤塗布の回数も減るという。今月10日に国から製造承認を受け、夏以降にも発売する。 従来はコラーゲン100%だった人工皮膚の成分の10%をゼラチンに改良。薬剤を塗ると、ゼラチンが分解する際に放出されるため、皮膚下の患部にゆっくり持続的に浸透する。2010年から京大病院で治験を実施。治療が難しい30~80代の皮膚潰瘍の患者17人で調べると、元々患部の状態の良くなかった1人を除いて治りが早かった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)や東京大、慶応大は26日、X線天文衛星「ひとみ」の宇宙望遠鏡の技術を使って、医療用の顕微鏡を開発すると発表した。従来の約50倍の精度で、腫瘍(しゅよう)内からがん細胞のもととなる「がん幹細胞」を見分けることを目指す。2~3年以内に試作機の完成を目指す。 がん幹細胞は、がん細胞を生み出すとされるが、腫瘍の中で周囲の細胞との区別が難しく、現在の顕微鏡では生きた動物のなかで観察できなかった。 体内で観察するには、がん幹細胞にだけくっつく化合物と組み合わせた放射性同位元素を作り、X線を検出する高精度な顕微鏡で、体内での位置を突き止める必要がある。 ひとみの望遠鏡は、ブラック…
「Me-MAMORIO」は、近距離無線通信規格Bluetooth2を活用した小型タグで、「Me-MAMORIO」を携帯した認知症の方や高齢者が、アプリケーションをインストールしたスマートフォンを持つ地域住民、または駅などに設置された固定受信装置に近づくと、「Me-MAMORIO」の位置情報が自動的にサーバーに送信され、家族や介護関係者は、位置情報をスマートフォンで確認することが可能。 なお、同製品は、「MAMORIO」の販売展開である、タグの位置情報把握のための国内最大級のスマートフォンアプリのネットワークおよび駅や百貨店などに固定受信装置を設置したMAMORIO Spotを利用しての展開となる。 また、「Me-MAMORIO」使用者の急なケガや病気などのトラブルに備え、東京海上グループと提携。「Me-MAMORIO」購入者本人や家族が無料利用できる24時間電話受付の緊急医療相談や介護。法
米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの研究チームが、微量の電流を使って新しいDNAやRNAを生きた皮膚細胞に注入し、皮膚細胞を「再プログラム化」して新たな機能を与えるナノチップを開発した。 同大学の再生医療・細胞療法センターのディレクターを務めるChandan Sen氏は声明の中で、「要する時間は、ほんの一瞬である。チップを患部に一瞬当てるだけだ。その時点で、細胞の再プログラム化が始まる」と述べた。 学術誌の「Nature Nanotechnology」で発表された研究において、Sen氏のチームは「Tissue Nanotransfection」(TNT)と呼ばれる技術を使用し、肢に重傷を負って血流が不足しているブタやマウスの体内に新しい血管を作った。 同チームが動物の皮膚に装置を当ててから1週間も経たないうちに、活発な血管が現れ、それらの動物の肢を事実上救った。この技術は、皮膚から
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く