暴力行為もパワーハラスメントも肯定しないが、女子代表を取材してきた記者の目に映る園田監督は、トライ・アンド・エラーを恐れぬ果敢で柔軟な指導者だった。「自分の時代は、選手とあれほど膝詰めで話し合うことはなかった」。代表監督経験者の一人は、こんな“園田評”で熱意をたたえている。 JOC主催の指導者研修会「ナショナルコーチアカデミー」に日参する謹直な人。コーチングの情報収集に余念がなく、五輪直前に新たな練習方法を試みるなど冒険心にも富んでいた。合宿の度に選手を集めた食事会を催し、携帯電話の無料通話アプリケーションを使って代表選手と情報交換…。一回り以上若い世代に時に冷やかされながら、距離を縮めようと腐心した姿も印象に強い。 畳の上で、言葉をとがらせる場面は確かに多かった。それは会見で語られた、結果を求められる「焦り」だけではなかったように思う。指導者にもたれかかる女子特有の依存心を、どう自立