その多くが50代で定年を迎える自衛官。現職時代、どれだけ華々しい経歴を積んでいたとしても、その経験が再就職に加味されるとは限らない。防衛大卒のライター、松田小牧氏によると、むしろ「戦闘機パイロット」という経歴が足かせになることすらあるという。戦闘機パイロットが直面した現実と、さらにその先にそびえる“再再就職”の壁とは――。 ※本記事は松田小牧著『定年自衛官再就職物語―セカンドキャリアの生きがいと憂鬱―(ワニブックスPLUS新書)』から抜粋、再構成したものです(全6回中の4回目)。 「希望とは違う」再就職先へ 航空自衛隊の“花形”ともいえる戦闘機パイロット。しかし、その実績が再就職においても通用するわけではない。 航空自衛隊の戦闘機パイロットとして自衛官人生を終えた坂口徹氏(仮名)。高校卒業後、航空学生として入隊した坂口氏は、F1、F15のパイロットとして定年まで操縦にかかわり、2010年