以前から繰り返し主張している事なのだけど小説、特に娯楽小説においては冒頭での「つかみ」は非常に重要な要素だと思う。小池一夫が唱えたとされる「冒頭では白昼の銀座を裸の女に駆け抜けさせろ」というフレーズに象徴されるが如く、時に強引さを感じさせるほどの強烈なインパクトを冒頭で与えないと読者に次のページを捲ろうという気を起こさせるのは難しい。 ……が、ステータスというか創作に注ぎこむエネルギーをを「つかみ」だけに全振りしちゃうってのはどうなんだろう?今回ガガガ文庫から刊行された新人さんの作品はそんな事を感じさせてくれた一冊。 物語は香崎という田舎町に住む高校生・塔野カオルが転校生の少女・花城あんずと出会う所から始まる。東京からやってきたというだけで話題性抜群である上に整った容姿でいやが上にもクラスメイトの目を引くあんずだったが、話しかけた生徒に「本を読んでいるから話しかけないで」と言ってのける孤高
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