神戸市立東須磨小学校で発覚した教員間の暴行問題。後輩教員に、激辛カレーを食べさせたり、日常的に暴言を浴びせたりしていた教員4人に対し、世間からは強いバッシングが起きている。 複数の加害教員が退職の意思を示しているそうだが、神戸市教育委員会は受理しない方針をとっている。処分前にやめられると退職金が発生するし、懲罰歴が残らないからだ。 さらに教員4人が有給休暇で自宅謹慎になっていることを問題視されると、今度は条例を改正。10月31日から「分限休職処分」として、給与を差し止めた。同日の会見で、市教委は「民意を反映」したという。 確かに教育者が率先して「いじめ」をしていたことは大きな問題だ。一方で処分が世論に左右されて良いのだろうか。処分の問題点を秋山直人弁護士に聞いた。 ●退職させないのは法律上問題ない ーー通常、労働者が退職届を出せばやめられると思うのですが、受理しないという市教委の態度は問題
警視庁中野署の警察官から、違法な取り調べ・身体拘束をされて、精神的な苦痛を受けたとして、東京都の工事業者の男性が4月26日、国家賠償法に基づき、東京都(小池百合子知事)に慰謝料など計330万円の支払いをもとめて、東京地裁に提訴した。 ●工具を所持していたことで連行された 原告は、給水管設備工事会社の代表をつとめる中野健太郎さん。 訴状によると、中野さんは今年2月4日夜、都内で発生した漏水事故の工事を終えたあと、立ち寄ったコンビニ前に作業車(ワゴン車)を停めて休憩していたところ、中野署の警察官が現れて、職務質問をもとめてきた。 中野さんが車の中を見せたところ、普段の工事で使用している工具(電工ナイフ、ガラスクラッシャー、マイナスドライバー)があったことから、「軽犯罪法違反で検挙する」として、中野署に連行されてしまった。 ●「これであんたも犯罪者の仲間入りだ」 取調室で、警察官は、中野さんにジ
東京・池袋で4月19日、高齢男性が運転する乗用車が暴走して、自転車に乗っていた母娘が亡くなった事故をめぐり、インターネット上で「上級国民」という言葉が数多く書き込まれている。 ●運転していた男性は旧通産省の官僚だった この事故で、乗用車を運転していたのは、元旧通産省の官僚で、大手企業の役員を経て、勲章を受けた80代男性だ。 男性の実名報道が一部しかなかったり、あったとしても「さん」付けだったことや、事故直後に逮捕されていないことから、ネット上で「上級国民だから逮捕されないのか」といった反発が上がった。 検察庁のホームページによると、捜査手続では、容疑者の身柄を拘束しないまま手続をすすめる「在宅事件」と、被疑者の身柄を拘束(逮捕・勾留)して手続をすすめる「身柄事件」がある。 いずれによるかは、(1)犯罪の重大性・悪質性、(2)逃亡のおそれ、(3)証拠隠滅のおそれなど、事情を総合して判断するこ
婚姻時に夫婦が別姓を選べない戸籍法は、平等を保障する憲法に反するとして、ソフトウェア企業「サイボウズ」の社長、青野慶久氏ら4人が国を相手に計220万円の損害賠償を求めている訴訟で、東京地裁(中吉徹郎裁判長)は3月25日、原告の訴えを棄却する判決を下した。青野氏は判決後、「とても残念です」と語り、控訴する方針を明らかにした。 夫婦別姓をめぐる裁判としては、2015年12月に夫婦同姓を規定した民法750条は合憲とする最高裁判決が出ているが、それ以後、初めての判決として注目を集めていた。 今回の訴訟では2015年に最高裁まで争われた訴訟と異なり、戸籍法の問題が争点となっていた。日本では民法750条の規定により、夫婦同姓が義務付けられている。しかし、日本人同士が離婚する時は民法上は旧姓に戻るが、戸籍法にもとづく届出を行えば、婚姻時の氏をそのまま称することが可能で、日本人と外国人が婚姻・離婚する時も
手術後の麻酔が残っている女性患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた男性医師に2月20日、無罪が言い渡された。この判決を受けて、被害を訴えていた女性が記者会見を開いた。「被害者は今後どうやって性犯罪にあったこと立証すればいいのですか」と涙ながらに語った。検察による控訴を望んでいるという。 ●判決は「せん妄の可能性がある」「DNA鑑定の信用性に疑いがある」 女性は2016年5月、東京都足立区の病院で、右乳腺腫瘍の摘出手術を受けた。手術後、病室に運ばれて、「(担当していた医師に)乳首を舐められた」「(医師が)胸を見ながらマスターべーションしていた」として、被害を訴えた。 男性医師は、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴されたが、一貫して「冤罪」を主張。公判では、(1)女性の証言の信用性、(2)DNA鑑定などが、科学的な証拠として認められるか――が争点となった。 東京地裁は2月20日
派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、人気俳優の新井浩文容疑者が強制性交の疑いで逮捕された事件。新井容疑者が出演した公開予定の映画が相次いで「お蔵入り」するなど、事件の影響が広がっている。一方、ネット上では「お蔵入り(封印)すべきではない」という議論も起きている。芸能人の不祥事があるたびに取りざたされる「封印問題」について、コンテンツ産業にくわしい国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)客員研究員の境真良さんに聞いた。 ●「過剰な反応をしていると言うしかない」 さて、新井浩文容疑者の事件は大きく報道されましたが、その影で、ちょっとした事件が起きています。それは、新井容疑者の出演する多くの作品が「封印」されたことです。すでに撮影が終了していた『台風家族』は公開延期、『善悪の屑』は公開中止になりました。さらにNHKオンデマンドから『真田丸』まで姿を消したという
自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPU(処理装置)を使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」を保管したなどとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われたウェブデザイナーの男性(31)の第2回公判が1月15日、横浜地裁(本間敏広裁判長)であり、セキュリティ専門家の高木浩光氏への証人尋問が行われた。 ●「ソフトウェアの作成や流通に萎縮効果」 弁護側の主尋問で、高木氏はいわゆる「サイバー刑法」(情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律)が成立した際の附帯決議に「構成要件の意義を周知徹底すること」、「捜査は適切な運用に努める」と付記されていることを説明。構成要件が曖昧なまま処罰されてしまう弊害について、「ソフトウェアの作成や流通に萎縮効果が出てしまう」と述べた。 また、JavaScriptは、閲覧者側のPC内のファイルに触れられない機能になっており
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