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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (9)

  • 小学生の体験格差

    私のツイッターをご覧の方はお分かりでしょうが,昨日はずっと,総務省『社会生活基調査』のデータをいじっていました。 http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm いろいろな生活行動の頻度の統計で,学歴や所得による違いも分析できるスグレモノです。趣味学歴差などのグラフをツイッターで発信しましたが,興味をもってくださる方が多いようです。 さて,教育社会学の観点から問題にすべきは,家庭環境とリンクした,子どもの生活行動の格差です。子どもは皆違って当たり前で,暮らしに違いがあるのは当然ですが,それが家庭の富裕度など,人では如何ともし難い外的条件とつながっている場合,是正を要する「格差」としての性格が出てきます。 学力格差,体力格差,健康格差などの言葉には,こういう意味合いが込められています。 ここでみるのは,学習,スポーツ,趣味・娯楽,ボラン

    小学生の体験格差
  • 無解答率

    毎年,文科省の『全国学力・学習状況調査』が実施されていますが,子どもの学力を測る指標として最もよく使われるのは,各科目の平均正答率です。 しかし,もう一つ面白いメジャーがあります。それは,無解答率です。思考を放棄して,解答欄を空白で出す者の割合ですが,知識を問うA科目よりも,知識を活用させるB科目で,この比率は高くなっています。 考えるのが面倒くさい,ということでしょうね。B科目の問題は結構ひねられており,対象の児童・生徒に考えさせる問題となっています。2014年度の小学校6年生の国語Bでは,以下のような設問が盛られています。詳細は,下記サイトでご覧ください。

    無解答率
    karotousen58
    karotousen58 2015/08/18
    "考えるのが面倒"は、出来のいい人の発想だと思う。「マヌケなことを書いたら怒られる。だけど、怒られない答えを出す自信がない。」とか、「バカが考えても無駄。模範解答暗記が無難。」と大人が吹き込むケースあり
  • 大学生のバイト目的の変化

    大型連休が始まりましたが,いかがお過ごしの予定でしょうか。私は今のところ,どこも行く予定はありません。てか,年中休みのような私にとっては,生活に何の変化もありません。いつも通り,パソコンとにらめっこの日々になりそうです。つまんない人です。 はて,学生さんはどうなのでしょう。毎年,連休前の授業で尋ねてみるのですが,「ずっとバイトです」という答えが多く返ってきます。 まあ,私の頃もそうでした。バイトしている学生はたくさんいました。統計で学生のバイト実施率をみても,最近になってとみに増えているのではありません。しかし以前は,遊びのカネ目当てのバイトが多かったような気がします。たとえばGWのバイトにしても,夏休みに友達海外旅行に行く金を稼ぐというように。 ところが最近は事情が違ってきているようで,「バイトして,どっか遊びに行くの?」と問うと,「いいえ」と返されます。では,何のために? それは,統

    大学生のバイト目的の変化
  • 勉強の得意度と自尊心の関連

    の子どもは自尊心(self-esteem)が低いといわれますが,その傾向は学年を上がるにつれ強くなります。 前回の記事で使った,国立青少年教育機構『青少年の体験活動等に関する調査』(2012年度)によると,「今の自分が好きである」という項目に「とてもそう思う」と答えた者の割合は,小4で30.7%,小5で24.1%,小6で20.9%,中2で8.9%,高2で7.3%というように,どんどん下落してきます。 http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/84/ 小学校と中学校の段差が大きいようですが,高校受験を見据えたテストの連続で,周囲と比した自分の相対位置を思い知らされることが多くなるためでしょう。よって自尊心の程度が,勉強のでき具合に規定される度合いが高まってくるとみられます。 私は上記調査のローデータを使って,この2つの関

    勉強の得意度と自尊心の関連
    karotousen58
    karotousen58 2015/01/10
    「外部が設定した基準に達しなかったら、見逃されることはなく非難を受ける」という経験を重ねたら、何かを成し遂げてもその成果を味わえない。非難を免れるという安堵だけ。卑屈な振舞も推奨され自尊心なんて程遠い
  • どの学習指導要領で育ったか

    年が明けました。今年もどうぞ,よろしくお願いいたします。 2015年は戦後70年に当たります。この節目の年のスタートということで,特定の観点から戦後史を振り返ってみようと思います。具体的には,学習指導要領の変遷史の上に,各世代の軌跡を書き込んでみます。タイトルのごとく,それぞれの世代は「どの学習指導要領で育ったか」を可視化する試みです。 学習指導要領とは教育課程の国家基準ですが,その内容は時代ともに改訂されてきています。大よそ10年間隔です。その変遷史をみると,能力主義の考え方のもと,授業時数や教育内容がうんと増やされた時期もあれば,その逆の時期もあります。後者の学習指導要領で育った世代は,「ゆとり世代」などといわれたりします。 どの学習指導要領で育ったかは,各世代の人間形成に少なからず影響していることでしょう。学習指導要領をして「国民形成の設計書」となぞらえた論者もいますが,その規定力(

    どの学習指導要領で育ったか
    karotousen58
    karotousen58 2015/01/02
    1978,1979年に公立中学生だった人や、1979~1981年に公立高校生だった人には、もう一つ特別な事情有。中学では1978年に内容削減有。一方で、1973年より実施の高校カリキュラムは変更無。高校学参等も改訂無。生徒は混乱。
  • 部活指導時間の国際比較

    部活といえば,青春時代のシンボル。私の出身中学では,原則として「帰宅部」は許されず,生徒全員が何らかの部に入ることが求められました(男子は,できるだけ運動部)。 部活指導に熱心な教員も多かったように記憶しています。バスケ部の顧問などは,「俺は今度の新人戦に命をかけてんだぞ」などと公言していました。悪いことではありませんが,あまりに度が過ぎると,部活指導が「主」で授業が「従」になるというような逆転現象も・・・。言わずもがな,教員の仕事の中核は授業です。

    部活指導時間の国際比較
  • 高齢者の収入格差の国際比較

    先日,「非正規雇用者に老後はない」という見出しの記事を見かけました。確かに,「一階部分」の国民年金しかもらえないのですから,そうだろうなと思います。40年間払い続けたとして,月6万円ほどでしたっけ・・・。 それでも,子どもや親族などの「ソーシャル・キャピタル」を持っている人はまだ救われるのでしょうが,最近はそれも持ち得ない人間が増えています。孤族化が進んでいますものね。その一方で,経済資も社会関係資も有する高齢者もいるのですが,こちらは数としては多くないのではないでしょうか。 このことは,高齢者の収入の自己評定分布をみると分かります。『世界価値観調査』(2010~14年)では,対象者に,自分の世帯の年収を10段階で自己評定させています。「あなたの世帯の収入は,社会全体の中でどの辺りか」というワーディングです。 60歳以上の高齢者の点数分布を図示すると,下図のようになります。日とスウェ

    高齢者の収入格差の国際比較
  • 都内23区の子どもの体力地図

    1月9日に,2013年度の『東京都児童・生徒体力・運動能力,生活・運動習慣等調査』が公表されました。そこでは,都内の公立小・中学生の体力テストの結果が市区別に公表されています。これはスゴイ。 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/seisaku_sport-6.htm 調査では,握力,上体起こし,50m走,立ち幅跳びなどの種目の記録を合成して総合スコアを出し,それに依拠して,A~Eの5段階の評定がなされます。私は,公立小学校4年生男子のうち,AもしくはBの評価を得た児童の比率を,都内の23区別に出してみました。 以前に,子どもの学力を都内の地域別に計算したことがありますが,はて,体力のほうはどれほどの地域差があるか。下の図は,結果をマッピングしたものです。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006793455 大都市という基

    都内23区の子どもの体力地図
  • 都道府県別の大学進学率

    現在では同世代の2人に1人が大学に進学しますが,大学進学率は,この2年間続けて下がっている模様です。2011年春が51.0%,2012年が50.8%,そして2013年が49.9%なり。 これは浪人込みの進学率ですが,浪人込みの率なんて出せるのか,という疑問もあるかと思いますので,当局の計算方法を説明いたしましょう。 大学進学率とは,同世代のうちどれほどが大学に進学したかという指標です。ベースは高卒者ではありません。文科省の『学校基調査』からこの値を計算する場合,当該年に大学に入った者の数を,推定18歳人口(3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者)で除すことになります。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 分子の大学入学者数には,より上の世代(いわゆる浪人生)も含まれますが,当該年の18歳人口から

    都道府県別の大学進学率
    karotousen58
    karotousen58 2013/09/12
    私の出身県の場合、公立高校入試でエネルギーを使い果たす人が多い。大学名よりも出身高校名が重視されるからだ。高校浪人は白眼視されるが中学浪人は当然とされる。高校入学の2年後に公立校再受験という声も聞く。
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