県内で作成、保管されていたとみられる古文書が古書店に売却されるなどして県外に「流出」するケースが相次いでいることが、県立歴史館(千曲市)の調査で分かった。調査を始めた2016年度に281件、ともに前年度との重複分も含めた17年度は290件、18年度は昨年12月時点で172件を確認。戦国武将真田昌幸の長男信之に関する文書など貴重な史料も含まれ、専門家は「地域の歴史の復元ができなくなる」と危ぶんでいる。 県外の主要な古書店十数軒から同館に送られる「目録」から県関連の古文書などを抜き出し、分析した。目録に掲載された店側の販売価格では16年度が総額7074万円、17年度は前年度の重複分も含め同4662万円、18年度は昨年12月時点で同4970万円。個人間の取引分や、近年増えているインターネット上の流通分は含まれておらず、さらに多くが流出している可能性が高い。 自宅の蔵などで眠っていた史料が目録に載