都内の私立高校に勤める30代の女性教諭が、結婚前の旧姓を「通称」として使用できるよう求め、学校側を相手取って、東京地裁に訴訟を起こしている。一時は、和解の道も探られていたが、学校側は戸籍姓の使用を譲らず、裁判所の判断を仰ぐことになりそうだ。早ければ、7月に結審する。 女性側の代理人弁護士4人が6月3日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した。早坂由起子弁護士は「通称の使用が広がっている中、時代に逆行している」などと語った。女性は同席しなかったが、訴状では「旧姓こそが自己を表す唯一の氏である」としている。 ●「併記」では戸籍姓が優先、旧姓はかっこの中 訴状などによると、女性は10年ほど前に着任。数年前、結婚によって姓が変わった。旧姓を通称として使用できるよう学校に求めたが、すべての場面で戸籍姓を使うよう命じられた。現在、女性は公的には戸籍姓で扱われているが、同僚の教職員や生徒、保護者からは従