企画特集 3 【神奈川の記憶】 (34)関東学院の<殉教者>コベル夫妻 コベル夫妻の死を伝える米国の新聞。子どもも含めて16人の米国人が殺されたと報じている=大島良雄さん提供 「戦争とは何かを自分の問題として考えてほしい」と語る大島良雄さん=横須賀市 ジェームズ・コベルは米国のプロテスタント教会の宣教師として24歳だった1920年夏、日本にやってきた。同じ宣教師で1つ年上のシャーマと2年後に結婚。夫は横浜の関東学院で、妻は横浜捜真女学校で教壇に立った。だが夫妻は39年に日本を追われ、移ったフィリピンで43年に日本軍に捕らわれ殺害された。 関東学院が〈殉教者〉と位置づけるコベル夫妻。なぜ日本を追われたのか。その経緯が、新たな資料の研究で浮かび上がってきた。 関東学院大学元教授の大島良雄さんによると、コベルは関東学院で英語を教えた。関東大震災で大きな被害を受けると、財務担当理事として校舎再建の