ホモ・サピエンスの原点は「グレートジャーニー」にある。アフリカで誕生した人類が約5万年前に壮大な旅を開始、全世界拡散を成し遂げた。その原動力はヒト特有の“発明”。極北の地へ大海原へと繰り出し、過酷な環境に安住することを可能にした。これは“進化”に匹敵する偉業であり、精神、知性、集団に関して、かつての人類とは違う根本的な何かが、この旅路の中で生じた結果かもしれないという。人類を知るためのその旅とは? ヒトの心を捉える不思議な存在「ネコ」。自由奔放で人見知りなため、研究対象とすることは困難だった。しかし近年、科学者が知恵をしぼり、ネコの心の内が明かされようとしている。1万年の間、ネコはヒトと共に進化してきた。飛び抜けた身体能力をひも解けば、ヒトと共通するしぐさの秘密も見えてくる。ネコはヒトにどう近づき、ヒトはネコに何を求めているのか。ネコ研究の最前線から、ネコと人類の共存、そして未来を妄想する