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ブックマーク / note.com/wakari_te (12)

  • 子殺しママに優しい日本社会|小山(狂)

    もちろん殺人事件そのものが発生することは1億超の人口を抱える国家である以上避けられない。様々な理由からどこかで「ライン」を踏み越えてしまう人間は常に一定数発生する。社会から犯罪を一掃することはできない。もちろんそれはわかり切っている。 筆者がやりきれないと感じるのは、虐待殺人が生じたあとに生じる子殺しママへの無数の擁護と共感だ。報道機関でさえ「ワンオペ育児か」というフレーズで犯人に共感を示している。「ワンオペ育児」「母親への支援不足」「育児の現実」…。一見やさしげな言葉に包まれたこれらのワードは、質的に子殺しの擁護と連続殺人犯への紐帯を表すものに他ならない。 3姉妹の首を絞め殺害したワンオペ母親。SNSでもこれを見て明日は我が身と感じた親の声は少なくない。自分も子供好きだが、当直明けに泣き叫ぶ娘をどうにかしたいと、よからぬ事が頭をよぎった経験も。睡眠不足、疲弊状態では正しい思考が保てない

    子殺しママに優しい日本社会|小山(狂)
    peketamin
    peketamin 2022/02/16
  • 「オタサーの姫」はなぜサークルクラッシュを引き起こすのか|小山(狂)

    「オタサーの姫」についてみなさんはどれほどのことをご存じだろうか。 男性ばかりのオタクサークルに「紅一点」として入り込み、女性経験に乏しい男性メンバーからチヤホヤを無限に搾取し、(たいして美人でもないのに)「姫」として君臨するキモい女たち。そんな一般的なイメージを抱いてる方が大半だろう。もちろんそれは間違いではない。 しかし考えてもみてほしい。もしあなたが女性に生まれたとして、「オタサーの姫」の座に就きたいなどと気で思うだろうか。自由恋愛社会における「若い女」というのはほとんど貴族階級と等しい。にも関わらず、不可触民であるキモいオタクに囲まれる青春など貴方は求めるだろうか。もちろん「YES」と答える方は少数派だろう。せっかく女に生まれたのにオタサーに入るなど常軌を逸している。 オタサーの姫の基習性として語られるサークルクラッシュについてはさらに気違いじみている。平和に活動するオタクをわ

    「オタサーの姫」はなぜサークルクラッシュを引き起こすのか|小山(狂)
    peketamin
    peketamin 2022/02/10
  • 「タコピーの原罪」の虐待描写のリアリティについて|小山(狂)

    未読の方向けにストーリーを簡単に説明すると、いじめや虐待などの被害にあっている少女の元に、「ドラえもん」的なひみつ道具を持つ謎の宇宙人「タコピー」がやってきて、少女の境遇を変えようと奮闘する──というもの。 そう表現すると一見ハートフルストーリーのように思えるのですが、(最新第5話の段階では)作中の状況は悪化の一途を辿っています。 タコピーはどうやら「悪意」というものが存在しない世界からやって来た存在であるようで、「いじめ」も「虐待」も「暴力」も上手く理解することができません。100%の善意で行動してるのにも関わらず、タコピーは常に空回りし続けます。 登場するキャラクターたちも魅力的で、それぞれが(一概に邪悪とは言い切れない)切実な感情の元に動いていながら、事態はどんどん最悪の方向に転がっていく。一種のスプラッター・コメディのような趣のある作品です。 テンポも良く、画力も秀でており、キャラ

    「タコピーの原罪」の虐待描写のリアリティについて|小山(狂)
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    peketamin 2022/01/09
  • 「非モテ男性にミャンマー人女性をあてがえ」という暴論について|小山(狂)

    非モテ男性にミャンマー人女性をあてがえ」という暴論がネットの一部で話題になっていたので少し言及する。 この論の発信源は「ミャンマー人女性の結婚斡旋業者」を名乗る某アカウントであるらしい。氏は日人の非モテ男性に向け「ミャンマー人女性との結婚」を提唱し続けている。氏のブログから主張の一部を抜粋しよう。 ミャンマーをはじめとする東南アジアは俗に「ヒモ体質の浮気性」と言われるほど男性が怠惰なせいで、女性の未婚率が日以上に上昇しています。言い換えればそこには広大な婚活フロンティアが広がっているのです。 いまだ世界第三位の経済大国でいっぱしに生きている自分にもっと自信を持っていいと思います。40ヶ国を旅したことのある私に言わせれば、勤勉で真面目な日人男性はグローバルスタンダードでは貴族階級です。 従来の婚活産業で相手が見つからないのであれば、潔く結婚相手を見つける場所を変えましょう。時間と金の

    「非モテ男性にミャンマー人女性をあてがえ」という暴論について|小山(狂)
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    peketamin 2021/12/12
  • 限界独身中年男性のための「ていねいな暮らし」マニュアル|小山(狂)

    アラサー、アラフォーの独身中年男性が、なぜかちょっと良い器や家具を揃え始めたり、自炊に凝り始めたりといった光景を目撃したことはないだろうか。 確かに少々の手間や贅沢は暮らしに彩りを与えてくれるものだ。独身中年男性の生活はどうしても殺伐としたものになりやすい。身の回りの物に手間とコストをかけ始める。それは一見すると大変ポジティブな行為に見える。 しかしみなさんはご存じだろうか。「ていねいな暮らし」を志す独身中年男性は、実のところ「素敵な暮らしがしたいな☆」的な明るくハッピーなマインドではなく、「この暮らしを変えなければ…」という切実かつ強迫的な心理の元おしゃれな家具や器を見繕っていることに。 稿は「ていねいな暮らし」を志す限界独身中年男性たちの知られざる哀しい心理とその方法について、その当事者である筆者が綴らせてもらう。 独身中年男性の限界な日々独身中年男性の生活は仕事を中心に回ってい

    限界独身中年男性のための「ていねいな暮らし」マニュアル|小山(狂)
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    peketamin 2021/12/12
  • 「フェミニズム版ソーカル事件」を起こした哲学者、大学から追放される|小山(狂)

    「第二のソーカル事件」と呼ばれる事件が2017年に起きたことをみなさんはご存じだろうか。 「ソーカル事件」とは言わずと知れたポストモダン思想史における大事件だ。1990年代初頭、ニューヨーク大学の物理学教授だったアラン・ソーカルはポストモダン思想と呼ばれる知識体系に疑問を抱く。当時のポストモダンは数学や物理学の知識を援用して社会構造を論ずることが流行していたが、職の物理学者であるソーカルには彼らの科学知識があまりにも不確かに思えたのだ。 ポストモダン思想の学術的欺瞞を告発するために、ソーカルは一計を思いつく。ポストモダン思想の文体を真似たデタラメな論文を専門の学術誌に送りつけ、それがアクセプトされるかどうか試すことにしたのだ。 かくして「境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて」と名付けられたデタラメ論文が1994年に執筆された。論文は(意図的に)支離滅裂かつデタラメに書かれてい

    「フェミニズム版ソーカル事件」を起こした哲学者、大学から追放される|小山(狂)
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    peketamin 2021/10/13
  • 日本の教育格差の絶望的な現実|小山(狂)

    サンデルによるメリトクラシー批判が話題になっているようなので、このnoteにおいても日教育格差について自分が見た事情をお話させて頂こうと思う。 以下の文章は2014年に書いたブログ記事の改稿だが、教育格差はその当時から現在まで引き続き拡大し続けている。今はもっと酷いだろう。 ちなみにこの記事は自分が教育という営みに絶望する前に書かれたものだ。 教育困難者に向けた教育ボランティアを3年ほど行った結果、いまの自分は大学受験を経由した階級上昇は「困難」ではなく「不可能」であると考えている。 その考えに行き着いた経緯については、こちらの記事を読んで頂きたい。 ・「底辺からでも努力すれば逆転できる」という神話の嘘 ー ー 数年ほど前にヒットした「ドラゴン桜」という漫画をご存知でしょうか。 「経営破綻寸前の超底辺高校の生徒2人が様々理由から東京大学を目指す」というストーリーで、TVドラマ化や小説

    日本の教育格差の絶望的な現実|小山(狂)
  • 「キモチワルイ」 シン・エヴァンゲリオン感想・考察|小山(狂)

    一応断っておきますが、ネタバレ全開です。 「庵野の回復ストーリー」としてのシンエヴァシン・エヴァンゲリオンとは一言で表すとどういう話だったのか。 「シン・エヴァンゲリオン」とは、ニアサードインパクト(エヴァQ)を起こしてうつ病になったシンジ(庵野)が、周りの人々に支えられて回復し、ゲンドウ率いるネルフ(旧エヴァ)と対決するお話である。 つまり、極めて個人的な庵野秀明自身の「回復の物語」が紡がれている。旧エヴァにあったような普遍的なテーマはどこにもない。ひたすらに、庵野秀明個人がみんなに支えられてうつ病から回復し、エヴァの完結編を創ってエヴァの呪縛から逃れられるようになった。それだけの話が延々と展開されている。 極言すれば、作には「エヴァンゲリオン」のキャラクターはほとんど登場しないとも言える。エヴァのキャラクターの口を借りて、庵野秀明が自分の話をつらつらと語っている。そういう作品だ。 エ

    「キモチワルイ」 シン・エヴァンゲリオン感想・考察|小山(狂)
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    peketamin 2021/03/10
  • 庵野秀明はもうエヴァンゲリオンを創れない|小山(狂)

    2016年、「シン・ゴジラ」を観たときにふと思ったことがあった。 庵野秀明は、もうエヴァンゲリオンを創れないんじゃないか、と。 「シン・ゴジラ」は絆の物語だった。震災(ゴジラ)という巨大な脅威に人々が立ち向かう物語。省庁の垣根を超え、官民の垣根を超え、現場と会議室との垣根を超え、国と国との垣根を超え、人々は連帯し、協力し、共闘する。 人と人との間にある見えない壁を、A.T.フィールドを超えて、人と人とが繋がり脅威に立ち向かう物語。それが「シン・ゴジラ」だった。 そしてそれは、素晴らしい物語だったとも思う。筆者も劇場で何回か観て、その後もBDディスクを購入し何十回と観ている。特に陳腐化しつつあったゴジラという怪獣を、震災という記憶に新しいイメージに乗せて蘇らせたところは鮮烈としか言いようがない。1954年の人々が初代「ゴジラ」に感じた衝撃と近いものを「シン・ゴジラ」を観た我々は感じることがで

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    peketamin 2021/03/08
  • 「女性には生理というハンデがある」は完全に嘘|小山(狂)

    「女性には生理というハンデがある」 という、広く唱えられている主張がある。 これは「主張」というよりも「定説」と表現すべきかもしれない。 内閣府の男女共同参画センターも「月経周期に関連するパフォーマンス低下のインパクトは大きくな」っているとWEB上で主張しているし、労働基準法第68条には「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」とする一文がある。 このように「月経による女性のパフォーマンス低下」という概念は、既に公に認められ、法にまで定められているのだ。少なくとも日においては。 ちなみに、生理休暇の概念を法で定めている国は世界でも稀で、日韓国・インドネシアにしか存在しない。それ以外の国の場合、「病休」の仕組みの中に包括されていることがほとんどだ。 ー さてこのように、邦には「女性は月経によってパフォーマンスが低下する」と

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    peketamin 2020/10/31
  • なぜ女性の恋愛アドバイスを聞くと非モテになるのか|小山(狂)

    現代の恋愛工学徒・ナンパ師は 「女の恋愛アドバイスは聞くな。非モテになる」 というのが基姿勢になっている。 かつて、恋愛アドバイス市場(あるのだそういうのが)の発信者は、そのほとんどが女性に占められていた。それは女性向け市場だけではなく、男性向け市場においても変わらなかった。 ホットドッグ・プレスのような少数の例外はあれど、男性による恋愛アドバイスはいつも「童貞のたわごと」的に扱われ、上記のホットドッグ・プレスも「童貞が書いた童貞のバイブル」と揶揄され続けていた(これは昨今の恋愛工学などもあまり変わらないが)。 その風潮に変化が訪れたのはニール・シュトラウスの登場以降だろう

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    peketamin 2020/09/03
  • ALS患者の嘱託殺人事件の容疑者の思想について|小山(狂)

    恐らくTwitterでフォロワーだった「羆」氏だと思うので、氏の思想について自分の知っている限りのことを綴っていこうかと思います。 ↓犯人が「羆」氏であると考える理由 現在、羆氏について「優生思想である」などの批判が集中しています。 高齢者への医療は社会資源の無駄、寝たきり高齢者はどこかに棄てるべきと優生思想的な主張を繰り返し、安楽死法制化にたびたび言及していた。 (引用:逮捕された医師は元厚労省官僚 「高齢者は社会の負担」優生思想 京都ALS安楽死事件) ひどい事件だ。かつて、30歳過ぎたら使えないと言った若手起業家がいた。経済効率や生産性という物差しでしか思考できないことと、この医者たちの優生思想は同じ根っこを持っている。https://t.co/1bkF5oVTvJ — 平川克美 (@hirakawamaru) July 23, 2020 しかし、なんとなくTwitterで氏の言動を

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    peketamin 2020/07/24
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