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ブックマーク / brevis.exblog.jp (17)

  • 『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から

    自分のプロフィールに「国内外の製造業及びエネルギー産業向けに、工場作り・生産システム構築の仕事に従事してきた」などと書いているためか、「日の製造業は、海外に比べて特殊なのですか?」という趣旨の質問をされることが、時々ある。「なぜ日海外はこうも違うのでしょうか?」といった聞き方の場合もある。 こうした質問は、日海外で同等なはずのものが、なぜか違っていた、との事例とともに、語られることが多い。例えば、同じ企業のグループに属しながら、生産管理系のパッケージソフトを、海外工場ではノンカスタマイズでスムーズに導入できたのに、国内工場では苦労したあげく、失敗したという事例。あるいは、国際標準に従ったサプライチェーンの仕組みが、日国内だけどうしても使えなかった事例。 さらに、国内では立派なプロジェクトマネジメントの実績を持つ会社が、海外に出て行って遂行したら、赤字や納期遅延で痛手を被ったケー

    『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2023/08/14
    “わたしの経験から、日本企業にかなり共通する特徴的な点を一つ、挙げることができる。それは、「自分たちの業務は特殊である」という自己認識が、非常に多い点” 比較からの逃避になり、学びがなくなるという話
  • わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    旅先ではいつも、その土地のものをべるのが習慣だ。だが、ときおり、外国で日料理屋に入ることもある。そして、たまに面らうような体験もする。いつだったか、アメリカの日料理屋で事を頼んだら、まっさきに味噌汁だけが出てきた。ふつうの街にある店で、来客はアメリカ人が多い。どうやら彼らの概念では、味噌汁はスープだから(Miso soupとよばれる)、真っ先に出すのが当然だということらしい。味噌汁を飲み終えたら、メインのおかずとご飯が出てきて、妙な気分だった。 汁物をsoupと訳するのは、もちろん正しい訳だ。だが日語で言う汁物と、英語スープは微妙に違う。たとえば英語では、スープべる(eat)という。日人で、「味噌汁をべる」という人は滅多にいるまい。ふつうは飲む、を使う。そして、当たり前だが、ご飯と一緒にいただくものだ。

    わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2017/12/18
    日本語の「管理」にはmanagementとcontrolとadministrationの意味が重複しており、かつカバーしきれてないという話
  • 契約音痴は、まだ続いている | タイム・コンサルタントの日誌から

    10年ほど前のことになるが、プロジェクトマネジメント学会に呼ばれて「トワイライト・サロン」で講演を行ったことがある。テーマは「海外プロジェクトの共同遂行におけるリスク要因」で、海外の企業と組んで共同でプロジェクトを進める際に、どんなリスクが考えうるかと言う話だった。共同で組む場合、ジョイント・ベンチャーや、コンソーシアムなどいくつかの契約上のパターンがある。また、スコープをどう分担するかも問題だ。これらを考えた上で、最適なフォーメーションをデザインする必要がある。わたしは同僚のAさんと一緒に、来場者の前でこうした問題についての考え方をお話しした。 講演の後質疑応答の時間になって、幾人かの方が質問に立った。ところで、PM学会の参加者は昔も今も、ほとんどがIT業界の人たちである。話題も、IT開発系プロジェクトがなぜかデフォルトになってしまう。その中の1つは、プロジェクトがスタートしたしばらく後

    契約音痴は、まだ続いている | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2017/02/14
    日本の準委任契約は海外のものと比べて緩すぎるのでは、というお話
  • マネジメントとリーダーシップはどう違うか | タイム・コンサルタントの日誌から

    大学でプロジェクト・マネジメントを週1回教えていることは前にも書いたが、授業は毎回必ず、前回の復習と、学生から出た質問への答えからはじめることにしている。出席シートに質問欄を設けて、そこに気になったことへの質問をかいてもらうのだ。むろん授業でも最後に「質問は?」ときくのだが、だいたいの学生はなぜかその場では質問せずに、紙に書いてくる。 いろいろ出た質問の中から、いつも「日のBest Question」を選出し、その質問者の名前を明示してほめることにしている。良い質問を考えることは、単に回答を考えるよりも、ずっと価値があるからだ。一般に、マネジメントの問題には正解がない。正解がない中で、自分で考えて決めていかなくてはならない。これは、たくさんの正解を覚えてどれだけ早く答えるかを競ってきた東大みたいなところでは、とくに大切だ。 さて、「マネジメントとは何か」という授業をやった後で、面白い質問

    マネジメントとリーダーシップはどう違うか | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2016/01/26
    マネジメントと航海術は似ていると。技術で必ず上手くいくわけではないが規模が大きくなるほど必ず技術がいるという点において。またリーダーシップはエンジンであり航海術とは別物という話など。
  • とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から

    最初に、損益分岐点の説明からはじめよう。企業は、製品やサービスを売って売上を得る。しかし、世の中にタダの物はないので、そこには必ず費用(原価)が発生する。その費用が製品の販売数量に単純に比例する場合、企業は売上に比例した利益を得ることになる。この関係を図(a)に示す。横軸は、売上である。工場の視点から言うと、売上向上すなわち稼働率向上を意味するから、横軸は稼働率と見てもよい。縦軸は金額で、実線が売上高を、点線が費用を示す。費用は純粋に、売上高に比例する。これを変動費ともいう。売上に伴って、変動するからである。たとえば製品を作るのに必要な原材料の購入費がそうだ。あるいは、製品を加工するための外注費などもそうだ。 ところが、企業にはこれとは別に、売上高にまったく関係なく、固定的に発生する費用がふつうある。これを固定費という。その典型例は、設備機械の減価償却費である。あるいは、従業員の給料なども

    とれるだけ仕事をとってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2015/03/04
    「工場の設備は、稼働率が高くなり100%に近づくと、急激に待ち行列が長くなる。これは、受注のタイミングや製造作業の時間にバラツキがあるために生じる現象」で利益率がガタ落ちすると。危険稼働率という概念
  • トラブル原因分析を、責任追及の場にしてはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から

    新製品の出荷を2ヶ月後に控え、新しい製造ラインの試運転前調整に入っていたある日、工務部門の担当者であるあなたのところに、ライン設置工事を請け負っていたエンジニアリング会社のプロマネから、とんでもない知らせが舞い込んできた。その会社の技術者が機械の操作ミスをしたらしく、製造機械の一部が破損してしまったというのだ。さっそく現場に飛んでいって様子を見てみる。残念ながら機械カバーがねじ曲がり、内部もダメージを受けている。幸い、人がけがをするようなタイプの破損ではないので、労働災害はなかったが、明らかに修理・再製作が必要だ。 エンジ会社のプロマネは装置のメーカー技術者を呼んで調べさせたが、いったんラインから取り外して、自社の工場に持ち帰る必要があるという。まずいことに、その装置はラインの中核近くにあり、周囲の機械設備をとりはずさないと動かせない。あなたは搬出と再製作にどれくらい時間がかかりそうかたず

    トラブル原因分析を、責任追及の場にしてはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2014/11/11
    日本語の責任は「英語で言うLiability, Responsibility, Accountabilityの三つの語義が混じっている。Liabilityは法的責任(主に賠償責任)、Responsibilityは最後まで任務を完遂する実行責任、そしてAccountabilityは出処進退を伴う説明責任」
  • なぜ納期に遅れるのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    の製造業の9割は、受注生産の形態だろうと、以前書いた。確たる統計を知っている訳ではない。経験にもとづく感覚的なものである。だが、一般の人の常識とは異なっているので、こういうと驚く人が少なくない。いつかも、ある企業にお邪魔したとき、そこの部長さんが「ウチは受注生産なので特殊です」と胸を張っておられた。他所のコンサルなんかに、わが社の仕事の難しさが分かってたまるか、という雰囲気も、少し込められていたかもしれない。貴方の会社はぜんぜん特殊でも例外でもありませんよ、とお答えしたが、相手は半信半疑だった。 なぜなら、世間でいう製造業とは自動車とか、家電・パソコンとか、カメラ、飲料・品、日用雑貨などであり、そこに共通したイメージがあるからだ。すべて、自社で開発した製品を、需要を見込んで生産し販売する「見込生産」の形態で動いているメーカーである。だから、そうした生産形態が普通であり、受注生産は例外

    なぜ納期に遅れるのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2014/06/17
    「下請けいじめ」にあってるからでしょ。抜けるには他には真似できない製品を作るしかない。
  • なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なぜなぜ分析」は、品質管理や労働安全管理などの分野で、よく用いられる手法だ。発生した問題事象の根原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく。この問いかけを“5回はくりかえせ”と、よく指導しているため、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになった。 図は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の著書から一例をとって、図示したものだ。工場内のある生産機械が故障してとまったとき、「なぜ機械は止まったか?」の問いに、「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」と答えただけでは、じゃあヒューズを交換して再起動すればいい、という答えしか出てこない。 しかし、なぜオーバーロードがかかったのか?→ (2)軸受部の潤滑が十分でないからだ、とほりさげ、 さらに (3)潤滑ポンプが十分組

    なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2014/04/28
    なぜなぜ分析で犯人捜しをしてしまうケースの紹介。原因追求で「見落とし」「注意不足」は禁句よな。
  • 大学の体育の授業で学んだ、人の自発的な育て方 | タイム・コンサルタントの日誌から

    生まれつき、運動音痴である。小学校の時から、体育や運動会でいい成績を出したことがない。バランス感覚とか、瞬間的な判断とか、筋力とか、手脚のスムーズなコントロールとか、そういったことがからきしダメである。父母はどちらも長身で運動神経が良く、スポーツ万能だったのだが、あいにく、似てほしい美点は受け継がなかったらしい。おまけに生来、小柄である。かつ、体もひどく硬い。まったく良いとこなしである。 運動能力の低さをカバーし、体力を向上すべく、中学・高校とも運動部に入ったが、結果として青春の記憶を屈辱で上塗りしただけだった。自分が多少なりとも好きだと言えるスポーツ、他人に劣等感を感じずにいられる種目はスキーただ一つだった。スキーは自力ではなく重力によって駆動する点が、まだしも幸いだったらしい。しかしスキーなんて冬しかできないし、おまけに遠いスキー場までわざわざ出かけていかなければできない。だからクラス

    大学の体育の授業で学んだ、人の自発的な育て方 | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2013/07/22
    「競争原理による人の管理には、一面、不安定な部分がある。それはトップ2〜3割の人間にはとても効果的に機能するが、それ以外の7〜8割は途中から次第に息切れしていく点だ」
  • ITエンジニアの『生産性』と、データ・サイエンスの微妙な関係 | タイム・コンサルタントの日誌から

    ある、社外の人との集まりに顔を出した時のこと。IT分野の経験を積んだ人が多く、みな一家言持っておられる。わたしは昨年後半から、久しぶりに社内のIT関連業務を見るセクションに移ったばかりなので、最近の事情に疎い。なるべく拝聴する側に回ることにした。話は業界の技術トレンドから、クラウドやビッグデータといった最新のバズワードに向かい、日IT業界の現状をなげく論調にうつった。日を代表する大手SIerたちの低空飛行ぶり、技術的イノベーションの不足、そして多重下請に象徴される業界の構造的問題。追い打ちをかけるように、オフショアとの競合による単価の下落。なんだか、あんまりエンカレッジされるような話題が出てこない。 --だとすると、日のSI業界というのは将来性があるのでしょうか? わたしは思い切って、直球ど真ん中の質問をなげてみた。しかし返ってきたのは、苦笑いするように首を横に振る姿ばかり。 「情

    ITエンジニアの『生産性』と、データ・サイエンスの微妙な関係 | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2013/07/08
    門外漢「IT分野のマネジメントで人の生産性が問題なら、それを測って数値化する試みから、着手されるはず」→行数管理地獄へ。実際、design=設計は生産性計測できない。各分野の専門知識量と発想力は数値化不可
  • 書評:「日本の弓術」 オイゲン・ヘリゲル | タイム・コンサルタントの日誌から

    の弓術 (岩波文庫) これは最近読んだ中でかなり衝撃を受けただ。ごく薄っぺらい岩波文庫で、しかもヘリゲルの講演録の部分はその半分、数十頁しかない。 しかし、哲学者で日に数年間を過ごしたヘリゲルが、1936年にベルリンの聴衆を前に語った内容は、じつに驚くべきものだった。東北帝国大学に招聘された彼は、以前からドイツ中世の神秘主義に傾倒しながらも、その肝心の部分を実感できずにいた。そこで、日で禅の精神に触れることを願い、弓道の師範について入門する。 ところが、阿波という師範は、彼に不思議なことを言う。弓を引くときに力を入れてはならない。丹田で息を吸え。意思を持って矢を放ってはいけない。的を見てねらって射てはならない・・・。これらはいずれも、西洋人の徹底して合理的・論理的思考からは理解できない、矛盾した指示であった。 ヘリゲルが師範に、無心で射ることは不可能だというと、師範は「あなたは無

    書評:「日本の弓術」 オイゲン・ヘリゲル | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2013/07/02
    無我無心と近代精神は対立「経験してからでなければ理解のできないことに、どんな知識や口真似も、何の役に立とう。」
  • Structured Approachができる人、できない人 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「あなたは、同期30人の集まるパーティの幹事になりました。 あなたが最初にすべきことは何ですか?」 --これは、わたしがプロジェクト・マネジメントを学生や社会人に教えるときに、最初に出すクイズの一つである。出てくる答えはたいていの場合、まちまちだ。「店を探して予約する」「日取りを決める」「参加者を確定する」、等々。いや、パーティといってもいろいろだから、どれを先にするべきかはシチュエーションによる、との答えもありうるだろう。 だが、この問題には、どんな状況にも当てはまる、唯一の普遍的な正解がある、とわたしは続けて説明する。ためしに、ちょっと読者の方も考えてみていただきたい。少なくとも、わたしの勤務先のプロジェクトエンジニア(=プロマネ候補生)たちにたずねたら、若い人でもきっと正解を答えてくれるだろう(と思う)。 その答えとは、『計画を立てる』である。どんなイベントでも、(1)計画を立てる

    Structured Approachができる人、できない人 | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2013/07/02
    「どんなイベントでも、(1)計画を立てる、(2)事前の準備をする、(3)本番を実行する、(4)終結作業をする、の4種類の作業が必要」イベント幹事なんかだと意外といきなり作業からやっちゃったりしてる人多いよなと
  • レベルいくつの議論をしているの? | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしの働くエンジニアリング業界では、プロジェクトの構造や規模感について、ほぼ国際的な常識ないし合意事項がある。我々の業界で大規模プロジェクトといったら、予算総額1,000億円以上を通常、指す。そして大規模プロジェクトを構成する種々の単位作業(Activity)の総数は、大ざっぱに3~5万程度だ。もっとも最近はプラントの大型化が進み、規模感はややインフレ気味だが、上記の数字は一つの目安になる。 ところで、Activity数が3~5万と書いたが、これはプロジェクトを構成する最下位のActivity数である。プロジェクトを作業単位に階層的に分解して管理番号をつけ、予算や要員やスケジュールをコントロールしていく基準とする手法は、現代プロジェクトマネジメントの基である(この作業の階層構造をWBS = Work Breakdown Structure と呼ぶことは、サイトの読者諸兄ならばよくご存

    レベルいくつの議論をしているの? | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2013/07/02
    世界標準的なWBS階層はLv4までとのこと。個別具体的な話はLv4。で、Lv4の話ばっかりしても"自転車置き場の議論"が紛糾するばかりで全体方針が定まらないよねって話
  • それは知識ですか、スキルですか、資質ですか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    東大で大学院生にプロジェクト・マネジメントを教えていたら、「自分は計画を立てるのが元々あまり上手ではないが、どうしたらいいでしょうか」という質問を受けた。プロジェクト計画の立案、とくにその中心になるWBSの作り方について説明し、二人一組でちょっとした演習をした後のことだ。WBSを作るだけなら誰にでもできるが、良いWBSを作るのは、案外難しい--そういう話をしたら、出てきた質問だった。 秀才タイプの人は、自分の弱点を人前にさらすのをきらう。だから逆に、この率直な質問には好感がもてた。わたしは学生にこう聞いてみた。 --失礼だけど、あなたは英語の会話は得意ですか? 相手はちょっと質問の論点から外れたことに戸惑ったようだが、答えた。 「えっと・・、いや、苦手です。」 --じゃあ、得意になるためにはどうしたらいいと思いますか。 「うーんと。やっぱりたくさん練習するしかない、ですか?」 --そう。そ

    それは知識ですか、スキルですか、資質ですか? | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2013/06/03
    師匠がいる人、何割いるのかね
  • 知識労働、肉体労働、そして『感情労働』 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「経済のソフト化」が言われ、「サービス・サイエンス」という新学問が提唱される今日においても、肝心な「サービス」の定義や中身はなかなか定まらない。なぜ、サービスをめぐる議論はかくも混乱するのか。前回も書いたとおり、サービス業とは「リソース提供ビジネス」であり、物質的なリソースあるいは人間系リソースの利用権・占有権を売るビジネスだ。通信インフラや鉄道輸送などの物質的リソースについての機能は、工学的に明確なはずである。また人間系リソースの提供にしても、知識労働(弁護士や通訳など)ないし肉体労働(整体師や溶接工やら)の役割は明瞭なはずであり、多くは資格制度も付随している。 それなのに、なぜかしばしば、ノードストローム(米国の高級百貨店=物販業)やディスニーランドや銀座の高級マダムの接客術みたいな要素が、サービスをめぐる議論の俎上にのせられる。お客様の「おもてなし」や、要望への「気づきの心」が声高に

    知識労働、肉体労働、そして『感情労働』 | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2011/09/07
    「感情とはプライベートな社会関係において必要不可欠な資源(リソース)」「ところが現代社会では、この感情が商品化され、仕事の領域でも使われる」=感情労働。個人的にはこれを「マネジメント」としてみたい。
  • あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由 | タイム・コンサルタントの日誌から

    この10年間というもの、日の生産管理思想をリードしてきたのはトヨタだったといってもいい。長かった不況の間も、ほぼかわらずに大きな利益を上げ、東海地方をはじめ日の多くの製造業をひっぱってきた。その地位と威光は誰も侮れまい。おかげで、トヨタ生産方式も多くのメーカーの範と仰がれてきた。大手電機メーカーなどもきそって著名なJITコンサルタントを迎え入れ、「生産革新」の名の下にトヨタ生産方式を導入しようと努力してきた。 ところでごく率直に言うと、トヨタ生産方式を導入しようとして、かえって生産状況を混乱させてしまうケースを私は何度かみかけた。どうもそれは、トヨタの真似をしようとして、いくつかの前提条件を忘れてしまうために起きているらしい。そこで今回は、あえてその条件を5項目にまとめ、チェックリストの用に供しようと思う。名付けて、「あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由」である。では、まず

    あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由 | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2008/07/01
    トヨタが何故トヨタ式に向いているか→どれだけ売れるか正確にわかる//商品季節性なし//販売チャネルの支配権所有//生産管理出身の社長が有り得る//仕事方法を変えるのが目的//
  • なぜ工場を海外に移転するのか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    また海外の工場建設現場に来ている。今週、HPの更新が遅れたのはそのせいだ。私の勤務先はエンジニアリング会社で、仕事の8割は海外の顧客向けである。ただし今回のプロジェクトはめずらしく、日企業が客先になっている。海外に工場を建設する仕事の手伝いである。 日企業と海外企業(とくに欧米のメジャーな企業)では、同じ業種に属していても、客先として見た場合、まったく性格が異なる。企業間のつきあい方の根が違うのだ。この話はまた別の時に書くが、その背後には「契約」というものに対する態度の違いがあるのだろう。 さて、日企業の海外進出には二つのパターンがある。売り手として外に出るか、作り手として外に出るかだ。売り手として外に出る、とはすなわち製品を輸出して海外に販売チャネルを構築する行き方である。高度成長期とはまさにこれが始まった時期だった。安価で、良質な商品を作る。それが海外でも注目される。まず商社経

    なぜ工場を海外に移転するのか? | タイム・コンサルタントの日誌から
    raitu
    raitu 2008/06/23
    //一番困るのは、日本の経営学あるいは経営思想に、真の工場立地論がないことだ。//
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