東北新幹線の那須塩原以北は完全復旧に数カ月 架線が切れ送電用の電柱が倒れた東北新幹線=20日午後、国見町 東日本大震災は、県内の鉄道網にも甚大な被害を与えた。国見町の東北新幹線蔵王トンネル付近では、至る所で高架線の断線や高架線をつなぐ電柱の傾き、高架橋はひび割れが目立つなど、事態の深刻さを物語っている。 JR東日本仙台支社によると、東北新幹線(東京―青森間)の被害は、修復が済んだ場所を含め電柱の傾斜とひび割れが約470カ所、架線の断線が約470カ所、高架橋の柱の損傷が約100カ所に上った。 東北新幹線は東京―那須塩原間で運転を再開しているが、本県と宮城、岩手両県内は運転の見通しが立っていない。時期について同社は「全く分からない」としながらも、阪神大震災で山陽新幹線が2カ月以上かかったことを挙げ、「損傷の範囲が広く、資材調達が難しいため、完全に復旧するには数カ月かかる可能性がある」とし