マーティン・スコセッシが自伝「スコセッシ・オン・スコセッシ」で、自作「グッドフェローズ」について、こんな風に語っていたことがある(以下うろ覚え)。 「この映画で私が描いたイタリア系のマフィア、彼らに、所謂“モラル”というものが完全に欠如している点に非常に興味を覚えた。彼らはパスタソースを作るのと同じ感覚で人を殺すんだ」 「冷たい熱帯魚」は埼玉愛犬家連続殺人事件に着想を得て、犬を熱帯魚に変換して、フィクショナルなアレンジを加えた作品。映画では、連続殺人に行き掛かり上でたずさわり、そのまま死体解体を手伝う羽目になる熱帯魚店を経営する男:社本(吹越満)に主眼を据え、ライズ&フォールならぬフォール&フォール&フォールを描いた物語。 上記の「グッドフェローズ」では、ジョー・ペシ演じるマフィアの男が口にする印象的な台詞があった。彼は、かつて因縁のあったマフィアを殺して仲間と共に始末。そしてその後、つま