奈良・平安時代の越前国府が武生(たけふ)=現福井県越前市=にあった史実を歌詞で伝える古代歌謡の催馬楽「道の口」について、同市の郷土史愛好家の池田正男さん(78)が関連資料をたどり、これまで不明だった旋律を楽譜に再現した。源氏物語の記述から紫式部も口ずさんだと推察されるメロディーを、千年以上の時を超えてよみがえらせた。式部を主人公とする2024年のNHK大河ドラマ放送を見据え、譜面に基づく雅楽演奏の計画も動き出した。 ⇒大河ドラマ「光る君へ」出演者新たに発表 8世紀末から9世紀初めに成立したとされる催馬楽の一つ「道の口」は、「道の口 武生の国府に 我はありと―」と歌われていた。旧武生町の地名の由来であり、歌詞は文献で知られているものの、旋律は明らかになっていなかった。 武生は紫式部が生涯で唯一都を離れて暮らした地。式部が著した源氏物語には「武生の国府にうつろい給うとも」(浮舟の巻)、「武生チ