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ブックマーク / www.riken.jp (108)

  • カマキリを操るハリガネムシ遺伝子の驚くべき由来

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 染色体分配研究チームの三品 達平 基礎科学特別研究員(研究当時、現 客員研究員)、京都大学 生態学研究センターの佐藤 拓哉 准教授、国立台湾大学の邱 名鍾 助教、大阪医科薬科大学 医学部の橋口 康之 講師(研究当時)、神戸大学 理学研究科の佐倉 緑 准教授、岡田 龍一 学術研究員、東京農業大学 農学部の佐々木 剛 教授、福井県立大学 海洋生物資源学部の武島 弘彦 客員研究員らの国際共同研究グループは、ハリガネムシのゲノムにカマキリ由来と考えられる大量の遺伝子を発見し、この大規模な遺伝子水平伝播[1]がハリガネムシによるカマキリの行動改変(宿主操作[2])の成立に関与している可能性を示しました。 研究成果は、寄生生物が系統的に大きく異なる宿主の行動をなぜ操作できるのかという謎を分子レベルで解明することに貢献すると期待されます。 自然界では、寄生

    カマキリを操るハリガネムシ遺伝子の驚くべき由来
    Nean
    Nean 2023/10/20
  • 荷電対称性の破れを発見

    理化学研究所仁科加速器科学研究センターRI物理研究室のカトリン・ウィマー客員研究員(IEM-CSIC研究員)、ピーター・ドルネンバル専任研究員、櫻井博儀室長、CEA-IRFUのヴォルフラム・コルテン上級研究員らの国際共同研究グループは、クリプトン-70(70Kr、陽子数36、中性子数34)の形状を調べたところ、セレン-70(70Se、陽子数34、中性子数36)と大きく異なっており、「荷電対称性[1]の破れ」を発見しました。 現在、研究成果を再現できる理論はなく、原子核構造の理論研究に大きな影響を与えることが期待できます。 荷電対称性は、原子核の性質を決める基的な対称性だと考えられています。この対称性によれば、陽子と中性子を互いに入れ替えた関係にある原子核(鏡映核[2])同士の性質は、陽子数の違いによる電気的な違いを除くと同じになります。 今回、国際共同研究グループは、仁科加速器科学研究

    荷電対称性の破れを発見
    Nean
    Nean 2021/05/26
    わかんないけれど、とりあえず。
  • スピン流で電流の渦を作る

    理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター計算量子物性研究チームの前川禎通上級研究員と柚木清司チームリーダー(計算科学研究センター量子系物質科学研究チームチームリーダー、開拓研究部柚木計算物性物理研究室主任研究員)、中国科学院大学カブリ理論科学研究所の藤純治研究員、グライフスヴァルト大学の江島聡研究員(同柚木計算物性物理研究室客員研究員)とホルガー・フェスケ教授らの国際共同研究グループは、スピン流(電子スピン[1]の流れ)を電流の渦に変換する新しい現象を数値シミュレーションにより発見しました。 第5期科学技術計画における未来社会(Society 5.0[2])の量子技術として、電子スピン(スピン)と電流の相互変換を省エネや情報制御に用いる「スピントロニクス[3]」が注目されています。研究成果は、そのための新しい潮流をもたらすものと期待できます。 ラシュバ型スピン軌道相互作用[4

    スピン流で電流の渦を作る
    Nean
    Nean 2021/04/14
    よくわかんないけれど、とりあえず。
  • スーパーコンピュータ「富岳」完成、共用開始

    「富岳」共用開始記念式典の様子 (左から、HPCIコンソーシアム 朴泰祐理事長、理研 松紘理事長、RIST ⽥島保英理事⻑、理研計算科学研究センター 松岡聡センター長) 経緯 「富岳」は、文部科学省が推進する革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の中核システムとして、開発・整備を進めてきたスーパーコンピュータです。 理研と富士通は、2014年から共同で「富岳」の開発に着手し、2020年5月にすべての筐体の搬入を終了し、その後、共用開始に向けた開発と利用環境整備などを進めてきました。 その間、スーパーコンピュータの性能ランキングTOP500」[2]「HPCG」[3]「HPL-AI」[4]「Graph500」[5]の4部門において、2020年6月と11月の2期連続で世界第1位を獲得注1、2)するとともに、「スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム」や「

    スーパーコンピュータ「富岳」完成、共用開始
  • 新型コロナウイルスタンパク質の柔らかい構造

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター計算分子設計研究チームの小松輝久研究員、沖憲明上級研究員、泰地真弘人チームリーダーらの研究チーム※は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスである「SARS-CoV-2」のメインプロテアーゼ(Mpro)[1]タンパク質と7種類のヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害薬[2]が結合する過程の分子動力学(MD)[3]シミュレーションを行いました。 研究成果は、新型コロナウイルスの増殖に必須であるMproを標的とする治療薬の開発に役立つと期待できます。 ウイルスは、感染した細胞にウイルスタンパク質を作らせることで増殖します。SARS-CoV-2のMproは、細胞に作らせたタンパク質を適切な箇所で切断して完成させるハサミ(プロテアーゼ)として機能します。MproはHIVのプロテアーゼと類似していることから、既存のHIVプロ

    新型コロナウイルスタンパク質の柔らかい構造
    Nean
    Nean 2020/11/10
    よくわかんないけれど、とりあえず。
  • 蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述

    理化学研究所(理研)数理創造プログラムの横倉祐貴上級研究員らの共同研究チームは、量子力学[1]と一般相対性理論[2]を用いて、蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述しました。 研究成果は、ブラックホールの正体に迫るものであり、遠い未来、情報[1]を蓄えるデバイスとしてブラックホールを活用する「ブラックホール工学」の基礎理論になると期待できます。 近年の観測により、ブラックホールの周辺のことについては徐々に分かってきましたが、その内部については、極めて強い重力によって信号が外にほとんど出てこられないため、何も分かっていません。また、ブラックホールは「ホーキング輻射[3]」によって蒸発することが理論的に示されており、内部にあった物質の持つ情報が蒸発後にどうなってしまうのかは、現代物理学における大きな未解決問題の一つです。 今回、共同研究チームは、ブラックホールの形成段階から蒸発の効果を直

    蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述
    Nean
    Nean 2020/07/14
    《このブラックホールは通常の星のように表面を持つため、イベントホライズンを持つ従来のブラックホールとは、天体現象の信号が異なるはず》ってことはブラックホールさんってもいろいろあるんですかい?
  • 腹が減っては戦に負けぬ

    理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター意思決定回路動態研究チームの中條暖奈研究員、岡仁チームリーダーらの国際共同研究グループは、ゼブラフィッシュ[1]の同種間での闘争行動を調べ、空腹状態にあるゼブラフィッシュが降参・敗北しにくくなる神経メカニズムを発見しました。 研究成果は、勝負において「ハングリー精神」が動物の行動をどのように制御するのか、その手がかりをつかむ糸口になると期待できます。 動物は料などを取り合って同種間で闘争し、勝者が優先的に料を得ることができます。空腹状態にある動物は、料を得るために闘い続けるモチベーションが上昇していると考えられますが、これまで空腹が動物の社会的闘争行動に与える影響については明らかになっていませんでした。 今回、国際共同研究グループは、ゼブラフィッシュを絶させると闘争において容易には降参しなくなり、結果として負けにくくなることを発見しまし

    腹が減っては戦に負けぬ
  • ミミズで弁をつくる

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター集積バイオデバイス研究チームの田中陽チームリーダー、東京電機大学の釜道紀浩准教授らの共同研究チーム※は、ミミズの筋肉組織を用いて、電気刺激によらない、化学エネルギーのみで動作する小型の弁(バルブ)を開発しました。 研究成果は、電力が供給されにくい体内に埋め込むタイプの機械を制御するための装置などへの応用が期待できます。 共同研究チームは、ミミズの筋肉を用いたバルブを試作するため、土台となるマイクロ流体チップ[1]上に幅・深さ0.2mmの流路と直径3mmの液室(チャンバー)を作製しました。そして、そのチャンバーの上に筋肉の収縮力を伝えるプッシュバーを置き、さらにミミズ筋肉シートを載せて固定しました。これを用いて、電気刺激を用いた場合とアセチルコリン[2]による化学刺激を用いた場合において、バルブとしての性能を比較しました。その結果、電気パルス刺激

    ミミズで弁をつくる
    Nean
    Nean 2019/07/08
  • 触れずにヌメリをはかる

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター集積バイオデバイス研究チームの田中信行研究員、田中陽チームリーダー、鈴鹿工業高等専門学校の平井信充教授、株式会社北川鉄工所の春園嘉英係長らの共同研究グループ※は、微生物の作用により物体表面に発生するバイオフィルム[1]の有無を「水とのなじみやすさ」を指標とすることで、触れずに簡便に評価できる手法を開発しました。 研究成果は、住宅設備や水中構造物にバイオフィルムが付着することを防ぐための素材開発や、歯垢など生体表面に発生するバイオフィルムを制御する技術の開発に貢献すると期待できます。 バイオフィルムは、流しに発生する“ヌメリ”の原因となるなど、水があればどこにでも発生し、環境・衛生に影響を与え、材料腐などの原因となります。 今回、共同研究グループは、バイオフィルムが水となじみやすい親水性の生体高分子(多糖類やタンパク質など)を多く含むことに着目

    触れずにヌメリをはかる
    Nean
    Nean 2019/06/11
  • マイクロ心臓を作る

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター集積バイオデバイス研究チームの田中陽チームリーダー、田中信行研究員、慶應義塾大学理工学部の山下忠紘助教、スイス連邦工科大学チューリッヒ校健康科学技術学部のヴィオラ・フォーゲル教授らの国際共同研究チーム※は、微小な溝が刻まれたシート上でラットの心筋細胞を培養することで、溝を橋渡しする立体的な拍動組織「心筋ブリッジ」を自発的に形成させ、さらにその特性から“マイクロ心臓”ともいうべき機能性が実現できることを明らかにしました。 研究成果は、心筋細胞が集まって心臓を形作る際の実験モデルとして、あるいは創薬分野で行われている心毒性[1]試験や薬効試験のための系として、さらには拍動そのものを利用した微小動力源としての利用が期待できます。 今回、国際共同研究チームは、細胞を小さな環境に閉じ込めて培養した場合とそうでない場合では、細胞が異なる振る舞いを示すことに

    マイクロ心臓を作る
  • 新しい機能性ポリマーの開発に成功 | 理化学研究所

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター先進機能触媒研究グループの侯召民グループディレクター(開拓研究部侯有機金属化学研究室主任研究員)、ハオビン・ワン特別研究員、ヤン・ヤン特別研究員、西浦正芳専任研究員(開拓研究部侯有機金属化学研究室専任研究員)らの共同研究チーム※は、希土類金属[1]触媒を用いることにより、極性オレフィン[2]とエチレンとの「精密共重合[3]」を達成し、乾燥空気中のみならず、水や酸、アルカリ性水溶液中でも自己修復性能や形状記憶性能を示す新しい「機能性ポリマー」の創製に成功しました。 研究成果は、さまざまな環境で自己修復可能で、かつ実用性の高い新しい機能性材料の開発に大きく貢献すると期待できます。 今回、共同研究チームは、独自に開発した希土類触媒を用いることにより、エチレンとアニシルプロピレン類[4]との精密共重合に初めて成功し、得られた新しいポリマーが高い伸び

    Nean
    Nean 2019/02/07
  • 回転軸の傾きがそろわない原始惑星系円盤 | 理化学研究所

    理化学研究所(理研)開拓研究部坂井星・惑星形成研究室の坂井南美主任研究員、イーチェン・チァン基礎科学特別研究員と千葉大学先進科学センターの花輪知幸教授らの共同研究グループ※は、「アルマ望遠鏡[1]」を用いて、成長途上にある若い「原始惑星系円盤[2]」を観測し、円盤の回転軸の傾きに内側と外側でずれがあること、円盤内部で星間塵が合体成長し始めている可能性があることを見いだしました。 研究成果は、惑星軌道の回転軸の傾きにばらつきのある惑星系など、近年次々に発見されている多様な構造の系外惑星系の起源や、惑星形成の開始時期の解明につながると期待できます。 星と惑星系は、銀河の中に漂うガスや塵からなる分子雲が自己重力で収縮することで誕生します。生まれたばかりの原始星の周りでは、原始星へ回転しながら落下する降着ガスの内側に円盤が形成されます。この円盤の中で将来惑星が誕生することから、原始惑星系円盤と

  • ウイルス感染防御に必須の抗体が作られる経路を発見 | 理化学研究所

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター分化制御研究チームの黒崎知博チームリーダー(大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授(常勤))、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの伊勢渉特任准教授(常勤)らの共同研究グループは、病原体からの感染防御に必須の抗体[1]が作られる経路を明らかにしました。 研究成果は、効果的な抗体の産生を標的にした新しいワクチン開発に大きく貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、マウスを用いた解析を行い、ウイルスなどの病原体を生体内から除去するために必要な抗体分子の中でも、病原体との親和性の高い良質な抗体がどのような仕組みで作られるのかを明らかにしました。ウイルスなどの外来異物が体内に侵入すると、活性化したB細胞[2]が、胚中心[3]という微小構造の中で、高親和性の抗体を産生する「プラズマ細胞[4]」へと分化します。研究では、胚中心に存在する

    Nean
    Nean 2018/04/18
    とりあえず。
  • 爬虫類ソメワケササクレヤモリの全ゲノム解読

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター分子配列比較解析ユニットの原雄一郎基礎科学特別研究員、工樂樹洋ユニットリーダー、生体モデル開発ユニットの清成寛ユニットリーダーらの共同研究チームは、爬虫類「ソメワケササクレヤモリ(Paroedura picta)」の全ゲノム配列を解読、公開しました。 研究成果から得られたゲノム情報により、爬虫類であるソメワケササクレヤモリが、哺乳類のマウス、鳥類のニワトリと並ぶ研究対象として広く活用され、生命科学研究における多様な成果をもたらすと期待できます。 今回、ゲノムが解読されたヤモリ科に属するソメワケササクレヤモリは、理研において何代にもわたり飼育されており、理研内外の研究者に提供されています。共同研究チームが培ってきた技術により得られたゲノム配列は、これまで発表された他の爬虫類のゲノム配列と比較して、高い完成度を持つことが示されました。成果により、

    爬虫類ソメワケササクレヤモリの全ゲノム解読
  • 多感覚情報の統合機構 | 60秒でわかるプレスリリース | 理化学研究所

    Nean
    Nean 2018/03/16
  • 多感覚情報の統合機構 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター行動遺伝学技術開発チームの糸原重美チームリーダー、黒木暁リサーチアソシエイト、吉田崇将客員研究員、細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダー、早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻の大島登志男教授らの共同研究グループ※は、マウスを用いて、多感覚刺激に対する大脳皮質の新たな神経応答を発見しました。 複数の知覚情報の統合は、外界の情報を正確に素早く得る手段であり、高次脳機能の根幹をなします。これまで、大脳皮質の多くの領域におけて複数種類の感覚刺激(多感覚刺激)に対する応答が報告されていましたが、これらの領域がどのように連携して感覚情報を統合しているのか、明らかではありませんでした。 今回、共同研究グループは、信頼性の高い光学シグナルを興奮性細胞もしくは抑制性細胞選択的に発する遺伝子改変マウスを新たに作製し、感覚刺激がない状態と多感

  • 脳型学習で主要な信号を抽出 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター神経適応理論研究チームの磯村拓哉基礎科学特別研究員と豊泉太郎チームリーダーの研究チームは、出力の模範となるべき教師データ[1]なしに、音声や画像などの感覚情報から主要な信号源を自動抽出する「脳型学習アルゴリズム」を開発しました。 私たちは、雑踏の中でも特定の人の声を聞き分けることができます。このような機能を達成するための工学的なノイズ除去・信号分離アルゴリズムは、話者の話し声の分離や生体信号の抽出など、広い分野で使われています。しかし、従来の工学的アルゴリズムでは計算の並列化ができず、ノイズが強い場合にノイズを除去することが難しいという問題がありました。 今回、研究チームは、並列計算でノイズ除去と信号分離を同時に実行する脳型学習アルゴリズム「EGHR-β(Error-Gated Hebbian Rule β)」を開発しました。EGHR-βを用

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    Nean 2018/02/08
  • 第0脳神経(終神経)の機能に新たな視点 | 60秒でわかるプレスリリース | 理化学研究所

    Nean
    Nean 2018/01/31
  • 第0脳神経(終神経)の機能に新たな視点 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センターシナプス分子機構研究チームの小出哲也研究員、吉原良浩チームリーダーらの研究チーム※は、ゼブラフィッシュ[1]を用いて、これまでその生理機能がよく分かっていなかった第0脳神経(終神経)[2]が、脊椎動物における二酸化炭素(CO2)からの忌避行動をつかさどることを発見しました。 命を脅かす可能性のある感覚刺激(脅威刺激)からの忌避行動は、全ての動物の生存に必須です。なかでも小型熱帯魚ゼブラフィッシュの稚魚は、体の透明性、小型の脳、明確で典型的な行動など、忌避行動をつかさどる神経回路を解析するのに非常に有利な特性を備えており、多くの実験に用いられてきました。これまでの研究により、触覚・聴覚・視覚の脅威刺激にさらされたゼブラフィッシュの稚魚は、素早い逃避行動を示すことが報告されていました。しかし、化学物質の刺激に対する行動はほとんど分かっていませんで

  • がん細胞の接着を回復させる機構 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)多細胞システム形成研究センター高次構造形成研究チームの竹市雅俊チームリーダー、伊藤祥子研究員と環境資源科学研究センター創薬シード化合物探索基盤ユニットの大貫哲男副基盤ユニットリーダーらの共同研究グループ※は、大腸がん由来細胞株の細胞間接着の形成を回復させる機構を明らかにしました。 正常な上皮組織[1]の細胞には極性[2]があり、頂端部側で強固に接着して組織の安定性を維持しています。がんが進行すると極性が失われるとともに、細胞間の接着構造が乱れていきます。がん由来の細胞株では、さまざまなタイプの接着異常が観察され、このような変化は、がんの浸潤性や転移能を高める恐れがあります。しかし、この異常を元に戻す治療法は現在のところありません。 今回、共同研究グループは、正常に接着できない大腸がん由来細胞を用いて、約16万種類の化合物の中から細胞の接着を回復させる薬剤を探しまし