日本メディアの「オバマ回顧録」の翻訳、その訳文がはらむ「危険性」を考える 政治的衝突の火種になりかねない 翻訳こそ「政治の場」 翻訳というと、どんな役割があると思われるだろうか? 語学や文学、せいぜい各国のおつきあいの際に必要なツール程度にみなされてきたかもしれない。じつは翻訳とはもろに政治の場であり、戦場であり、知力の武器そのものなのだ。 たとえば、明治時代、悪名高い日英間の不平等条約をなんとか修正するために、イギリスで『源氏物語』を一部英語に訳して出版した日本人がいた。ジャーナリストであり政治家であった末松謙澄(すえまつ・けんちょう)である。有名なアーサー・ウェイリーの英訳 The Tale of Genjiが二十世紀初頭に登場する以前のこと。 末松謙澄はどうしてそんな難事に挑んだのかといえば、日本が千年も昔から高度に発達した文明国であることを、『源氏物語』を通じて示すためだったという
バラク・オバマ氏の回顧録 A Promised Land (Crown)歴史の大きな岐路に翻訳の”暗躍”がある 小さく見える語句の訳し方ひとつで、過去に戦争が起きたこともあれば、爆弾が投下されたこともある。逆に人びとが救われたこともある。 先日、オバマ前大統領の回顧録 A Promised Landが出版されたことで、日本でも意外な翻訳問題が持ち上がっている。回顧録に関する報道記事のなかに、誤訳があったというのである。 オバマ氏は2009年に訪日した際にスピーチを行い、当時の首相鳩山由紀夫氏と会談した。回顧録には、そのときのことを短く綴ったページがある。 鳩山氏をほめてる、けなしてる? 問題となっている箇所は主に二つ。太字部分をよく見てほしい。 【ワシントン共同】オバマ前米大統領は17日に出版した回顧録「約束の地」で、2009年の大統領就任後、初めて訪日した際に会談した鳩山由紀夫元首相につ
【後日追記】この件についてのエントリはカテゴリでまとめて一覧できるようにしてあります。【追記ここまで】 今回の実例は、予定を変更して、今日まさにTwitterで話題になっている件について。 米国のバラク・オバマ前大統領が回想録を出したとかで、今週は英語圏の各メディアでもロング・インタビューを出すなどしていた。BBCも(ドナルド・トランプがぎゃあぎゃあ言ってるのをよそに)オバマのインタビューをトップニュースにしていた。それがトップニュースになっているときのキャプチャは取っていないが、記事はこちら: www.bbc.com 回想録そのものについては、BBCに出てるのはこれだけかな: www.bbc.com ほかの媒体のサイトを見るなどすれば、回想録についての記事はたっぷり出てくるだろう。今回の本題はそれではない。 この回想録について、日本語圏でも日本語で「報道」がなされている。そして、その日本
・トランプ米大統領の発言として報じられた「殺人を犯しながら逃げている」は比ゆ表現であり、そのまま直訳したのでは意味を違える。 ・元の発言は「They've gotten away with murder」。慣用表現として「好き勝手なことをしておきながら罰を免れる」を意味する。 先日、複数の報道機関で、トランプ米大統領が「米国は中日韓その他多数の国で巨額のお金を失っている。それらの国は25年にわたって殺人を犯しながら許されている」と伝えている。記述内容は次の通り。 「米国は中国や日本、韓国、その他多数の国で巨額のカネを失っている。(それらの国は)25年にわたって『殺人』を犯しておきながら許されている」(They’ve gotten away with murder)」と述べ、異例の表現で非難した。 出典:「日本など『殺人』」トランプ氏、貿易巡り非難(読売新聞)(2018年2月21日時点でリン
翻訳AI(人工知能)の技術が急速に進化している。ビジネス会議で同時通訳をしてくれる世界が目前に迫っている。英語を話すのが苦手な日本人にとっては朗報だが、そうした世界ではこれまでとは全く異なるコミュニケーションの力も必要になりそうだ。AI時代に必要な英語力や英語学習のやり方はどのように変わるのか。自動翻訳技術の第一人者、情報通信研究機構(NICT)フェローの隅田英一郎氏に話を聞いた。 隅田英一郎[すみた・えいいちろう] 国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)フェロー、先進的音声翻訳研究開発センター(ASTREC)副研究開発推進センター長(写真:的野弘路、以下同) まず、機械翻訳の研究の世界では、どのようなことが起こっているのか、教えてください。 隅田英一郎・NICTフェロー(以下、隅田):今、AI(人工知能)の時代ということで、自動翻訳の世界でもニューラルネットワークを使うのが主流に
作家・片岡義男さんが「すごいねえ」と感嘆したアメリカの漫画家エイドリアン・トミネ。その絵を読み解いた前編(gendai.ismedia.jp/articles/-/51057)に続き、後編では作中に出てくる日本語の見事な英訳から、翻訳に必要な思考のめぐらせ方を考えます。 短編コミック「日本語から翻訳された」 エイドリアン・トミネの Killing and Dying には6編のストーリーが収録してある。どれもスタイルが異なっているから、さまざまなスタイルの試み、と理解すればいいのではないか。 4番目のストーリーは TRANSLATED, from the JAPANESE という題名だ。「日本語から翻訳された」という意味だ。 この作品は17点のイラストレーションと、それぞれにともなった短い英語の文章で構成されている。最初の文章だけは日本語でも提示されている。 見開きの左のページに、日本語で
国際論文連発の研究室が明かす、英作文超ノウハウ。Google翻訳ってスプレッドシートから使えるんだ!2017.03.02 18:3520,402 福田ミホ 「GOOGLETRANSLATE」って関数になってたんですね! 英語がある程度できる人って、なんでか職場で「英語担当」みたいになっちゃったりして、たまに英文を書く必要に迫られていることと思います。でもそれが「たまに」であればあるほど、英文って抵抗感がありますよね。 英語で長ーい専門的な論文を書いてしまえる研究者の人にも同じ悩みがあるみたいで、神奈川工科大学でVRを研究する白井暁彦准教授の研究室では、Google翻訳とGoogleスプレッドシートで英作文を楽にするためのノウハウを編み出していました。白井准教授の研究室は「規模の割には国際投稿が多い」そうで、国際学会で入賞するなど世界的な成果を出されています。その白井准教授が、研究室で使われ
皆さん、こんにちは。いきなりですが、問題です。 Q. “Did you hear about the guy whose whole left side was cut off? He’s all right now.” これを日本語に訳せますか? A.「左半身を切り取られた男のことを知ってますか。今ではもう大丈夫です。」 これでは何のことかわかりませんよね。これは "right" の「右」と「大丈夫」の意味を掛けたダジャレだからです。 このように、ダジャレを翻訳することは本質的には不可能です。けれど世の中には、かなりアクロバティックかつ強引な方法で、何とかダジャレ翻訳をしている例もあります。 今回はそうした強引すぎる、それでいて見事なダジャレ翻訳をご紹介していきます。 bear(熊)と bear(我慢する)ある映画でクマの絵が描かれたお菓子のパッケージに「unBEARably GOOD
今回も、「英辞郎 on the WEB」「英辞郎 on the WEB Pro」のちょっと便利な使い方についてご紹介します。 皆さんは、「英辞郎 on the WEB」に限らず、さまざまな検索サービスををご利用になられているかと思いますが、一度検索して検索結果ページが表示されたときに、その検索結果ページにある検索キーワード入力欄(検索窓)がどのような状態になっているのが好みですか? 1)検索したキーワードをそのまま残す 2)キーワード入力欄を空欄にする 3)検索したキーワードが選択された状態にする 「英辞郎 on the WEB」「英辞郎 on the WEB Pro」では、1)検索したキーワードをそのまま残す(カーソルは末尾)が初期設定になっていますが、2)と 3)の形式にも変更が可能です。 続けてスピーディーにたくさん検索したい方には 2)と 3)が便利です。3)の場合は、最初に検索し
グーグルでコーパス検索!「Google 英文ライティング」 2010-02-17-3 [English][Book] 書店でこんな本を見かけました。 ウェブ全体をコーパスとみなしてウェブ検索を用例検索として活用するという本です。 ■遠田和子 / Google 英文ライティング - 英語がどんどん書けるようになる本 店頭でざっと目を通してみただけなのですが、ダブルクオートで囲ってフレーズ検索したりアスタリスクでワイルドカード検索したりして英作文に役立てるという、7年前の2003年に出た「翻訳に役立つGoogle活用テクニック」と同じようなコンセプトですね。 ■安藤進 / 翻訳に役立つGoogle活用テクニック その「翻訳に役立つGoogle活用テクニック」の読書メモより[2003-11-25-3]: 紹介されているテクニックの一部: - 単数形と複数形が区別されるので可算不可算の判定に。 -
オンラインの翻訳ツールを使ったことがある方は多いかと思います。 ガツガツっと英語のサイトなんかを訳してくれるのは、まだなんとなくいいとしても、自分で書いた文章を英語に訳させると、正直、「うーん、使えねぇー、これ」という結論に至った方も多いのでは? 機械翻訳というのは、語彙力は大学教授並み(あるいはそれ以上)なものも多々あるのですが、文章の理解力に関してはかなりKYです。人間で言うと5歳児くらいではないかと思います(2009年9月現在)。 英語は、割と機械でも翻訳しやすい構造をした言語ですが、日本語は構造が難解な上、文脈に依存する言語です。なので、翻訳ツールをうまく活用するには、この5歳児並みの理解力を持った機械に分かってもらえる日本語を書いてあげる必要があるわけです。 それを踏まえた上で、オンライン翻訳ツールとうまく付き合っていく方法をいくつかご紹介。 1. センテンスは短く。 原文が長く
Google翻訳が面白すぎる件 市販ソフトである「コリャ英和!…」を中心に翻訳性能を分析しようと思ってたのですが、Google翻訳が面白すぎるので少し脱線です。前のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/Ozy/20080915#p2)をご覧頂いただけでると思いますが、進めていけばいくほどかわいそうになってきたので、もうちょっと文章が複雑になったところで評価対象から外そうと思います(;´д`) Mary has a guitar. コリャ英和 2009 メアリーはギターを持っています。 Google メアリーには、ギターです。 Yahoo メアリーは、ギターを持っています。 Excite メアリはギターを持っています。 ですよねー。 We played baseball. コリャ英和 2009 我々は野球をしました。 Google 私たちの野球です。 Yahoo 我々は、野球
もちろん有料ではあるが、ちょっと使ってみようとおもった便利サービスのご紹介。 GRAMLEEはいわゆる文章編集サービスである。きちんとした文章に直してもらいたい文章をコピー&ペーストすれば指定したアドレスに編集した文章を返してくれる。 プログラムが編集するわけではないのでちょっと時間がかかるが、平日だったら24時間以内に返してくれるらしい。 基本的に英文の編集なので利用できるシーンが限られるが、自分で日記をつけてみて、それを編集してもらうことで英語を勉強、という使い方もできるだろう。 気になるお値段は150単語で$1。最初の100単語は無料なのでお試しでやってみるといいだろう。このぐらいお手軽な値段ならちょっと覚えておいてもいいかもですね。
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