現代を代表するアーティストの一人であるブライアン・イーノ。彼はいま、暗号資産関連の技術が単に“金儲けのソリューション”になっている点を厳しく批判する。2021年に暗号技術の専門メディア「クリプト・シラバス」を立ち上げたIT評論家エフゲニー・モロゾフが、イーノが懸念することを尋ねた──。 かつて「世紀の放尿」をやってのけた男 ブライアン・イーノは、アンビエント・ミュージックという音楽ジャンルを作りだしただけでなく、この40年間で数々の名盤にプロデューサーとして関わってきた。サウンドやビデオ、デジタルアートを使った作品制作にも取り組み、代表作の一つである「7700万絵画」などは、そこからおびただしい量の楽曲が生成される点から言ってもNFTの対極に位置するといえる。 イーノはかつてマルセル・デュシャンの有名なあの小便器(註:「泉」という名のアート作品)に小便をしてみたという逸話の持ち主でもある。
アートが助けてくれたおかげで、私の人生は「可能」そのものでした。クリスチャン・ボルタンスキーインタビュー雑誌『美術手帖』の貴重なバックナンバー記事を公開。4月は、先月に引き続き、現代美術のキーパーソンたちのインタビューや解説記事を掲載する。本記事では、2016年に行われたクリスチャン・ボルタンスキーのインタビューを公開。 聞き手=三木あき子 2019年、ポンピドゥー・センター(フランス)でのクリスチャン・ボルタンスキー「アニミタス」シリーズの展示風景 Photo by DELFINO Claire ©Getty Images 歴史や記憶、人間の存在の痕跡をテーマに作品を生み出し続けるクリスチャン・ボルタンスキー。本記事では、2016年に行われたボルタンスキーのインタビューを公開する。 2019年には日本で大回顧展を行い、22年に開館予定の宮城県南三陸町の震災伝承施設のために作品制作を行うな
いつかは滅びる現代文明を後世に伝えるための方法。佃弘樹インタビュー自身のドローイングやスナップショットによるデジタルコラージュを作成することで、 もとの素材の固定化された要素を一度壊し、平面や立体へと再創造する佃弘樹。 SF的世界の制作のもとにある思想について話を聞いた。 文=椿玲子(森美術館キュレーター) 「自然」と「文明」の二項対立を超える多元的な視覚と構造 佃弘樹の群馬県立近代美術館での個展「Monolog in the Doom」は、2018年のNANZUKAでの個展「199X」、19年の森美術館での「六本木クロッシング2019展:つないでみる」、ベルリンのCapitain Petzelでの個展に続き、現代文明を巨視的な視点でとらえた展示だと言える。 美術館内のコレクション展示を抜けて「Monolog in the Doom」の展示室が近づくと、まずは床から
Sponsor Content Presented By ※日本IBM社外からの寄稿や発言内容は、必ずしも同社の見解を表明しているわけではありません。 ユーモアにあふれポップな世界観を創造する異端のアーティスト、スプツニ子!の作品は、テクノロジーによって起こり得る未来の社会や価値観の可能性を提示し、議論を巻き起こす。高校時代に親友が旧ソ連の人工衛星「スプートニク」からつけたあだ名を職業名として、英国の大学院を修了後にアーティスト活動を開始。2013年には、28歳でアメリカの名門マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの助教に就任、この秋には東京大学と世界最高峰の芸術大学院である英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)が共同で設立した東京大学RCA-IISデザインラボの特任准教授に就任した。現在、幅広い分野で世界の先端技術が集まるこの研究所に身を置きながら、学生たちを導いている。
辻 2009年、ギャラリー・ラファイエット・オムの「2009年の男」に三宅さんが選ばれて、三宅さんのポスターがパリ中に貼られた時、僕も驚きました。ラファイエットの店内で三宅さんのCDが置かれてあった。大きなポスターとともに。 三宅 純さん(以下、敬称略) グレース・ジョーンズ黄金期のビジュアルを支えたことでも名高いジャン・ポール=グードが、グレースを含め今まで彼と深く関わった女性3人をミューズとして舞台作品にするという企画があったんです。ジャン・ポールが東洋と西洋の両方の音楽が分かる人を探しているということで、知人が彼に紹介してくれました。まだパリに移って数ヶ月の頃です。彼は長年にわたりギャラリー・ラファイエットのアートディレクターも務めていたのですが、今お話したような交流の中で、「2009年の男」としてギャラリー・ラファイエットに推薦してくれたんです。僕自身はこのご縁がある前から、パリに
なぜ日本初のアルチンボルド展は実現したのか? 担当学芸員にその舞台裏を聞くこれまで日本では「だまし絵」の文脈で紹介されながら、一度も回顧展が開かれることがなかったイタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルド。日本初の本格的な回顧展はなぜこのタイミングで実現したのか? 担当学芸員の渡辺晋輔(国立西洋美術館主任研究員)と共催者であるNHKプロモーションの古川法子に話を聞いた。 アルチンボルド展会場風景 |世界的に稀なアルチンボルド展——現在開催中の「アルチンボルド展」は、その開催が決まったときから大きな話題を集めています。本展は、アルチンボルドの代表作「四季」の《春》《夏》《秋》《冬》と「四大元素」の《大気》《火》《大地》《水》が初めて展示される、これまでにない展覧会ですが、そもそもこの展覧会の構想はいつから始まったのでしょうか?渡辺 3〜4年前ですね。日本では2000年代以前、イタリア美術の展覧
「きゅんくん」こと松永夏紀さんは若干20歳の新鋭クリエイター。ロボット+ファッション(ロボティクスファッション)をテーマに作品を発表してきた。さらにはモデルにまで活動は拡張。彼女が取り憑かれたロボットの魅力とは? なぜ彼女は作品をつくる? 彼女のルーツと表現したいことに迫った。 【Profile】きゅんくん|松永夏紀 1994年生まれ。ロボティクスファッションクリエイター。機械工学を学びながらファッションとして着用するロボットを制作。金属加工、電子工作、洋裁など全て自身で手がける。TOKYO DESIGNERS WEEK 2014企画展「スーパーロボット展」などで作品を発表。その他、tofubeats『Come On Honey!』『poolside』MVや『仕込み筋肉3号機 Muscle System』など動画作品にもモデルとして出演している。自身で作品発表を行いつつ、活動の幅を広げる注
日本美術の“ソムリエ”――美術はもっと多様に楽しめる 『京都で日本美術をみる 京都国立博物館』著者・橋本麻里氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#京都で日本美術をみる#日本の国宝100 今年9月、常設展示館である「平成知新館」がオープンし、例年以上の賑わいを見せていたこの秋の京都国立博物館。記念の展覧会となった「京(みやこ)へのいざない」(会期終了)は入場者数30万人をこえた。日本美術がブームと言われるようになってしばらく経つが、何がそれほど多くの日本人の心を引きつけるのだろうか。『京都で日本美術をみる 京都国立博物館』を上梓した橋本麻里さんにお話をうかがった。(聞き手・構成/長瀬千雅) ―― まさに先月、この本を持って京都国立博物館(京博)に行きました。朝いちばんに行ったのに、本館(明治古都館)で開かれていた「国宝 鳥獣戯画と高山寺」展で2時間ほど並ぶことになりまして。 そういう報告
Alejandro Jodorowsky presentación de La Danza de la Realidad @ Montreal Canadá
自己表現は人を<癒す>のか? ―― 「大変な社会」を生きるために 『生きていく絵 アートが人を<癒す>とき』著者・荒井裕樹さんインタビュー 情報 #生きていく絵#新刊インタビュー#造形教室 人は自己表現しながら生きている。それでは、人は自己表現しなければ生きていけないのか? 自己表現は人にとってどれだけの意味があるのか。精神科病院・平川病院のなかで営まれている<造形教室>では、「心の病」を抱えたひとびとが、アートを通じた自己表現によって自らを<癒し>、自らを支えている。『生きていく絵』(亜紀書房)は、文学研究者の荒井裕樹氏が<造形教室>への取材を通じて考えた自己表現の意味や可能性を考えまとめた本だ。自己表現は人を〈癒す〉ことができるのか、そして社会にとってどんな意味があるのか、お話を伺った(聞き手・構成/金子昂) ―― 最初に、『生きていく絵』はどんな本なのかお話ください。 簡単に説明する
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