【ロンドン=有田哲文、ニューヨーク=山川一基】世界の原油相場が急騰している。中東の政情不安が原油産出国のリビアに及び、先行き不透明感が高まったためだ。市場では、最大産油国のサウジアラビアなどに波及することへの懸念がくすぶっている。世界的に警戒感が広がるインフレがさらに進むおそれもある。 21日の米国市場は祝日で休みだが、ニューヨーク商業取引所の米国産WTI原油の先物価格は、時間外取引で一時1バレル=94.30ドル台をつけた。前週末の通常取引の終値を8ドル以上上回り、2008年10月以来、約2年4カ月ぶりの高値水準となった。 同市場ではエジプトの混乱が深まった1月末、スエズ運河が閉鎖されるとの観測などから原油相場が高騰。その後は下落傾向にあったが、リビア情勢の緊迫化で21日に大きく値を上げた。 欧州の指標である北海ブレント原油の先物価格も一時、1バレル=105ドルを上回り、ロイター通信