〈塚口サンサン劇場〉が生まれたのは1953年。元々は〈塚口劇場〉という名前だった。その後、阪急塚口駅周辺開発事業により1978年に〈塚口さんさんタウン〉が開業すると同時に〈塚口サンサン劇場〉と名前を変えた。2011年までは東映系の作品や各社のアニメ作品などの封切館として営業を行ってきた。2010年ごろになると劇場の周辺にシネコンができ始めたこともあり、本格的に二番館としてシネコンでは取り上げないミニシアター系の作品や過去の名作など、さまざまなジャンルに上映の手を広げるようになった。その際にも映画館としての敷居を高くしたくないと考えた戸村さんは、二番館の強みを生かして番組編成にある仕掛けをしたと語る。 「ただ番組編成を組むのではなく、長いストーリーを紡いでいくようにしたんです。例えばAという映画を見たら、Bという映画が見たくなる。そうなると翌週のCという映画につながるみたいなつながりを意識し