当事者のなかには、子どものころから「自分はほかの人とどこか違う」と思い悩み、生きにくさを感じながら成長してきたため、発達障害であることが判明してむしろホッとしたという人が少なくありません。 最近、大人の発達障害を疑って医療機関を受診する人が増えているといいます。その多くは、子どものときから困難を抱えながらも、なんとか学生生活には適応してきました。しかし社会人になると、生活が立ち行かなくなってしまった人たちです。 大人の発達障害の人にはどんな特徴が見られるのでしょうか。診断の際にはどんなものが用いられますか。生活していくのに役立つどんな支援機関があるでしょうか。 この記事では、図解 よくわかる大人の発達障害 などの本にもとづき、大人の発達障害のうち、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)を取り上げます。(最新のDSM-5では、アスペルガーというカテゴリーはなくなり、自閉スペクトラム症に一本化さ