ロシアは「中立的な地位について話し合うなら」と交渉の要件を挙げています。これも眉唾物です。「中立」の意味が異なるからです。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「中立」という場合、永世中立を維持しているスイスや、NATO(北大西洋条約機構)に加盟していないフィンランドのような立場をいいます。 これに対して、プーチン大統領は、ウクライナがNATOに加盟しないだけでなく「武装を解除する」という条件を付けています。ロシア語の「中立」には、無力化というニュアンスがあり、ウクライナの「非武装中立」を狙っているようです。 プーチン大統領は今回の「特別軍事行動」を進める理由として「中立化」に加えて「非ナチ化」にも言及しました。 名越:これは政権交代を意味しますが、皮肉な話です。 プーチン大統領は「ゼレンスキー政権にナチの残党がいる。彼らがウクライナ東部のドンバス地域でジェノサイド(集団殺害)を