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書評と道徳に関するobsvのブックマーク (7)

  • 第3回 「権利」という言葉から距離を置くべき理由

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 わたしたちは、社会問題や道徳が絡む問題を考えるときに「権利」や「人権」という言葉を用いることが多い。 権利という言葉は、契約に関する場面などでは「義務」とセットで用いられることもある。しかし、社会問題や道徳問題においては、権利という言葉は「絶対に守られるべきであり、それが侵害されるという時点で道徳的に不正な状況が発生している」ものとして用いられることが多い

    第3回 「権利」という言葉から距離を置くべき理由
    obsv
    obsv 2021/05/15
    “その主張がどれだけ理性的で論理的に聞こえようとも、権利に訴えるということは、自分たちが大切だと思っている物事を根拠なしに押し付けているに過ぎないのである。”
  • 2015年のベスト本は『暴力の人類史』 - 道徳的動物日記

    暴力の人類史 上 作者: スティーブン・ピンカー,幾島幸子,塩原通緒 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2015/01/28 メディア: 単行 この商品を含むブログ (23件) を見る スティーブン・ピンカーの『暴力の人類史』は、殺人・戦争・虐殺・喧嘩・強姦・DV・児童虐待・動物虐待などの暴力が、狩猟採集民の時代から人間社会に存在し現在に至るまで続いていること、しかし様々な要因(政府や国家に法律や警察などの制度が整う・異なる集団同士が通商などで交流し相互依存するようになる・暴力や粗野な行動を抑えるマナーが浸透する・物語を読むという行為が浸透し、自分とは違う立場の存在について人々が想像するようになる・人々の知性や理性が発達し、論理的で倫理的な思考を行えるようになる、など)によって人間社会における暴力は減り続けており、現在は人類史上において最も暴力の少ない時代である、ということが大量の統

    2015年のベスト本は『暴力の人類史』 - 道徳的動物日記
  • 書評『社会はなぜ左と右にわかれるのか』 : ダーウィニズムの万能塩m9(`・ω・´)(仮)

    原題は「正義心(The Righteous Mind)」これは単なる普遍的な正義の心ではなく「偏狭な正義感」も含意する。

    書評『社会はなぜ左と右にわかれるのか』 : ダーウィニズムの万能塩m9(`・ω・´)(仮)
    obsv
    obsv 2020/08/01
    “ハイトは、宗教が適応でマルチレベル選択を受けたと主張するが、そうでない説明も可能である。しかしその件について彼はほとんど関心がない。”
  • スコット・ジェイムズ『進化倫理学入門』 - Repeat The Ending

    専門が「価値論、道徳心理学、進化論」*1の哲学教授による進化と倫理学が交錯する分野の入門書。 同じ領域を扱っているが最近日でもいくつか出ており、道徳の生得論争や生物の互恵性については『モラルサイコロジー』や『自然主義入門』が、10~12章の道徳的実在論争については『メタ倫理学入門』がそれぞれ書の理解の助けとなった。さらに知りたい方はそれらのにすすんでみることをすすめる。 さて進化と倫理の組み合わせといえば非自然科学方面の一部ではあまり評判がよくない。その理由としてよくあるのは ・一度やって失敗してる。 ・価値(規範)と事実には隔たりがある。 ・道徳は文化によって多様だ(例:ある地域では通過儀礼で少年たちは近隣の村の無実の村人の首を切ることが要求される)。 などなど。また、これらの合わせ技で主張されることもある。 上で紹介したでも記述的な探求の規範倫理学への短絡的な適用については警

    スコット・ジェイムズ『進化倫理学入門』 - Repeat The Ending
  •  「道徳性の起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    道徳性の起源: ボノボが教えてくれること 作者: フランスドゥ・ヴァール,Frans de Waal,柴田裕之出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2014/11/28メディア: 単行この商品を含むブログ (7件) を見る 書はオランダ出身の著名な霊長類学者フランス・ドゥ・ヴァールによる霊長類特にボノボに見られる向社会性を解説し,そしてそこからヒトの道徳と宗教についての思いを語るという,科学書であり,かつ大家のエッセイのような趣もあるである.原題は「The Bonobo and the Athiest: In Search of Humanism Among the Primates」.邦題は書の内容の一部を示しているだけでややミスリーディングな印象である. ドゥ・ヴァールは大変著名なチンパンジーやボノボの研究者であり,その生態や行動を詳しく紹介する「政治をするサル」や「ボノボ

     「道徳性の起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    obsv 2020/07/21
    “様々な観察例は面白いものの,理論的な部分では行動生態学への初歩的な誤解が目に付き,なかなか読むのがつらいところもある”
  • 書評 「進化倫理学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化倫理学入門 作者:スコット・ジェイムズ名古屋大学出版会Amazon 書は道徳哲学者スコット・ジェイムズによる進化的な考え方を取り入れた道徳についての解説書になる.大きく2部構成になっており,第1部ではヒトに道徳があるのは進化的にどう説明されるのか,道徳はどのように実装されているかについての道徳心理学が扱われ,第2部では第1部の議論を前提にした上で道徳哲学,特に規範倫理学とメタ倫理学の議論が展開されている.原題は「An Introduction to Evolutionary Ethics」. 序章 序章ではE. O. ウィルソンが巻き起こした社会生物学論争に簡単に触れながら,道徳と生物学の関わりが整理されている.これは議論が混乱しやすいので最初に扱っているのだろう.ジェイムズは生物学と道徳の関連についてキッチャーによる以下の整理を紹介している. ヒトの道徳心理がなぜあるのかについての

    書評 「進化倫理学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    obsv 2020/07/20
    “「(進化的)事実から価値が導けるか」という問題は様々なところで目にするが,本書は非常に詳しく扱っている.ここでは哲学的な議論の進め方が大変面白い.”
  •  「モラル・トライブズ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上) 作者: ジョシュア・D.グリーン,竹田円出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/08/28メディア: 単行この商品を含むブログ (11件) を見るモラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(下) 作者: ジョシュア・D.グリーン,竹田円出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/08/28メディア: 単行この商品を含むブログ (8件) を見る 書は脳科学的な手法も取り込んで道徳を考察している道徳哲学者ジョシュア・グリーンによる道徳に関するだ.非常に広い視点から道徳を論じていて,「そもそも道徳とは何か,何故ヒトにあるのか」という部分は進化生物学的にも興味深いところだし,「どう実装されているのか」にも踏み込み,さらに道徳哲学者らしく「どうあるべきか」まで論じていて非常に広い.前半の論点はハウザーたちの進化心理的な道徳のとらえ方を踏ま

     「モラル・トライブズ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    obsv
    obsv 2020/01/21
    “道徳とは何なのか.それは西洋哲学が何世代もかけて追究してきた独立した抽象的な真理ではない.道徳哲学は心理学と生物学の氷山の一角として理解すべきものになる.”
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