もう10年近く前になるのか。イラク戦争直後の、治安が回復していないイラクに入国した民間人3名(学生、ボランティア活動家、フリージャーナリスト)がイラクの武装勢力に拘束され人質とされた。日本政府の交渉によって、その後、これら人質は解放されたが、当時、外務省がイラク全土においてレベル4の退避勧告を出していたこともあって、人質たちの無謀さに対して非難する声が強まった。 当時、私は、これら人質に批判的な人から、日本政府が要した経費の損害請求を人質に求めることは出来ないのかと聞かれて、刑事事件なので無理、と答えたら、その人はようやくこの事件が刑事事件なのだと気付いたのであった。 無謀さと言う点において、私は今でも人質たちの行為には批判的であるし、行くなら行くで覚悟が必要な状況だったと思う。また、特に外国領土において日本政府が出来ることは限られているし、政府に救出義務はあるものの、それによって日本の外