2012年08月08日22:30 カテゴリ書評/画評/品評Value 2.0 自分の、自分による、自分たちのための働き方 - 書評 - ニートの歩き方 ニートの歩き方 pha 出版社経由で著者より献本御礼。 一言で言うと、ニートは働き者だという一冊。 極論してしまえば、NEET=Not in Education, Employment, or Training とそうでない人の違いは、誰のために働いているかの違いでしかない。 もし人様のために、人様に言われて働くのがだるいと感じたら試してみるといい。自分のために、自分の心の声に従って働く素質と覚悟が自分にあるのか、を。 本書「ニートの歩き方」を読んでも、ニートとして歩けるようにはならない。あなたがすでにニートとしての歩き方を知っている、いやニートとしての歩き方を知る方法を自分の内に持っていない限り。看板に偽りありといえばそれまでではあるけれ
苅谷剛彦さんの『学力と階層』が朝日文庫から文庫化されて出た。その解説を書いた。 苅谷さんの「意欲格差」や「学習資本」というアイディアに私はつよい影響を受けており、『下流志向』や『街場の教育論』で展開した考想は苅谷さんの『階層化日本と教育危機』がなければ書かれなかったはずのものである。 その感謝をこめて書いた解説である。とりあえずこれを読んでから、書店に走ってください。 最初に読んだ苅谷剛彦さんの本は『階層化日本と教育危機』で、その頁を開いたのは、講演のために東京から千葉に向かう総武線の車内でのことだった。手に赤鉛筆を持って、傍線を引きながら読み進んだ。しだいに赤線が増えてきて、ついに一頁全体が真っ赤になったころに、降りる駅についた。本を閉じるときに、文字通り「後ろ髪を引かれる」思いがしたことを、駅前の寒空とともに身体がまだ記憶している。 日本の教育危機の実相について、私の現場の実感とこれほ
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