この度の新装版刊行を機に、あらためて多くの読者が本書と出会えることを願い、橘 玲さんと吉川浩満さんの対談では、ドーキンスがもたらした新たな知の潮流のもとで登場した必読書を10冊ご紹介いただきました。 ・佐倉統先生による書評はこちら ⇒【書評】佐倉 統「世界を変えた一冊」 【対談】 橘 玲×吉川浩満 『利己的な遺伝子』をめぐる10冊 ◇日本の人文学の「失われた20年」 橘 吉川さんが『利己的な遺伝子』を読まれたのはおいくつの時ですか? 吉川 1992、3年でしょうか。大学2、3年生の時ですね。 橘 早いですね。私も90年代の進化論ブームで一度は手に取っているのですが、ちゃんと理解できたのは、2004年に邦訳が刊行されたスティーヴン・ピンカーの『人間の本性を考える――心は「空白の石版」か』(NHKブックス)を読んだあとなので、最初に読んでから10年以上経っています。 ピンカーの本を読むまで、社