ウクライナ侵攻を巡るロシアの戦死者や軍備の損失が大きくなってきた。米欧の分析によると戦死者は米軍が過去20年にイラクやアフガニスタンの戦闘で出した死者数を上回った。ロシアで国内世論の反発や経済的な負担が増せば、戦況に変化が生じ得る。2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は1カ月を超えた。プーチン政権は当初、数日で軍事作戦を終えられると見込んでいたとされる。米欧から対戦車ミサイルなどの支援を
中国から「前例のない」資本流出、ウクライナ侵攻後-IIF Ye Xie、Maria Elena Vizcaino 国際金融協会(IIF)によると、ロシアが2月下旬にウクライナに侵攻して以来、中国から投資マネーが「前例のない」規模で引き揚げられており、新興国の資本フローで「極めて異例の」変化を示した。 IIFは24日のリポートで、他の新興国市場への資本流入が続いているにもかかわらず、高頻度データで中国の株・債券から大規模な資本の流出を検知したことを明らかにした。 チーフエコノミストのロビン・ブルックス氏らはリポートで、「われわれが目にしている中国からの大規模かつ激しい資本流出は、前例がない。特に他の新興市場からの同様の流出が見られない」と指摘。「資本流出のタイミングはロシアによるウクライナ侵攻後に当たり、外国人投資家が新たな観点で中国を見ている可能性があるが、この点に関して明確な結論を出すの
【コラム】プーチン氏の戦争、勝てない場合のロシアの未来-ブランズ Henry Brands "Hal" 世界はウクライナの国家存亡をかけた戦いにくぎ付けになっている。戦争が長引く中、そろそろロシアがどうなるのかについても考え始めた方が良さそうだ。 プーチン大統領が率いるロシアは現在、近年にどの大国も経験したことがないほど急激かつ完全な孤立状態に陥っている。その先にあるのは、好ましい状況ではないだろう。 2月下旬以降、ロシアは経済、貿易、金融の面で制裁を受けている。債務不履行(デフォルト)へ突き進み、テクノロジー面のデカップリング(切り離し)も進行している。外国企業はロシアから撤退し、サッカーなどスポーツ界でもロシア代表は国際大会から排除されている。 ロシアはキューバもしくは北朝鮮のような小さな独裁国家ではなく、つい最近まで国民が国際社会と深く結びついていた大国だ。それが今や、ある国が世界を
「ロシア軍はあと2週間しかもたない。兵器の補充は不可能」−−ロシア軍を良く知る旧ソ連の元軍人は、ロシア軍の敗走は確実だと予想した。 アゼルバイジャンの軍事評論家アギーリ・ルスタムザデ氏はロシア語の独立ニュース動画サイト“Newsader”でロシア軍の侵攻は準備に欠けた非常識な戦術だったと断じた。 ルスタムザデ氏はアゼルバイジャン軍に30年勤務し、ナゴルノ・カラバフ紛争などの実戦経験もある、ロシア軍の内情を知る軍事専門家だ。3月19日のアップ以来、視聴数は3日間で110万ビューを越えている。以下、ルスタムザデ氏の分析を紹介する。 ◆ウクライナでの戦闘の現状と懸念 現状での懸念はベラルーシ軍が参戦し新たな戦線をキエフの北西部で開くことだ。ベラルーシ軍は2万の兵力を有する。 ロシア軍について言えば、この20〜30年、シリア以外では精密誘導などの最新鋭兵器を使ったことがない。兵力と兵器の数では世界
ウクライナ侵攻により、人命や生活、故郷、自由が人々から奪われている。誰もが失ってばかりの戦争だ。ただひとつ、戦争を支える武器をつくる軍需企業を除いては。 ロシアによる侵攻以降、各国の企業は兵器を通してどのように「儲けて」いるのだろうか。英エセックス大学の経営学教授が「カンバセーション」に寄稿した。 軍需企業の株価が急上昇 ロシアのウクライナ侵攻は、その不当な攻撃ゆえに広く非難されている。ロシア帝国の復活、そして新たな世界大戦に対して恐怖を覚えることは当然だ。 一方、あまり話題にされていないことがある。軍需産業がおよそ5000億ドルの武器を両陣営に供給し、かなりの利益を得ようとしているのだ。 この戦争における防衛支出は既に膨大なものとなっている。EUは4億5000万ユーロの武器を購入し、ウクライナに輸送した。アメリカは90トン以上の軍需品と、昨年だけでも6億5000万ドルの援助をしたことに加
ロシアに対する経済制裁が発動するなか、同国航空会社の旅客機が外国のリース会社へ返還されない見込みとなりました。その数およそ500機、推定価格は1兆円超と前代未聞の「借りパク」問題、発生経緯と今後の展望をみていきます。 「借りパク」は犯罪ですが旅客機ともなると…! 2022年3月、日本や欧州各国のリース会社が所有し、アエロフロート並びにS7航空などロシアの航空会社が借り受けていた旅客機515機が、ロシア政府によって接収される見込みとなっています。推定価値1兆円以上にも及ぶ前代未聞の「旅客機の盗難」という事態に直面し、航空業界は大きな岐路に立たされています。 拡大画像 アエロフロートのエアバスA350-900(画像:エアバス)。 旅客機は比較的小型な機種でも20億円から30億円、大型機では500億円にも及ぶため、航空会社にとって所有機を増やすという決断は大きなリスクをともないます。一方、金融機
主要国での外貨準備の凍結やロシアの銀行に対するSWIFT(国際銀行間通信協会)制裁、あるいはドル調達を大きく制限する米国でのコルレス制裁などを受けて、ロシアが対外債務の返済不履行、デフォルトに陥る可能性が高まってきた。 格付会社のS&Pグローバル・レーティングは先週、ロシアの格付けを「BBB-」からジャンク級(投機的格付け)の「BB+」へと引き下げた。さらに3日には「BB+」から「CCC-」に8段階引き下げた。 2日には、格付会社フィッチ・レーティングスも、ロシアの長期外貨建て発行体デフォルト格付け (IDR)を「BBB」から「B」に引き下げている。一気に6段階の大幅格下げである。さらに3日には、格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも、ロシアの長期外貨建て債格付けを「Baa3」からジャンク級(投機的格付け)の「B3」に引き下げた。大手格付会社3社がいずれも、ロシアの外貨建て債を投
3月3日、ロシアは中国が築こうとしているものをぶち壊している。ブラジル・ブラジリアで2019年11月代表撮影(2022年 ロイター) [香港 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ロシアは中国が築こうとしているものをぶち壊している。中国は巨大経済圏構想「一帯一路」の下、東欧地域で貿易や投資、ハイテクなどの分野の関係構築を進めている。しかしプーチン大統領のウクライナ侵攻への批判を避け、国内の反ロシア論を抑えつけたため、多くの東欧諸国が中国から距離を取りつつある。 ウクライナはロシアと欧州諸国を結ぶ鉄道、道路、エネルギーパイプラインの要衝に位置する。2017年に習近平国家主席の看板政策である「一帯一路」に加わり、以来、中国企業がウクライナの港湾や地下鉄の整備事業を担ってきた。さらに20年には首都キエフが中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との間で了解覚書に調印したが、この時
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