10年ぐらい前、韓国のソウルに行ったとき、韓国人の友人と明洞(ミョンドン)の飲み屋に入った。 店のメニューに目を通すと、トンカツがある。 でも友人の発音は「トンカス」。 韓国語には「ツ」の発音がないから、「トンカス」になってしまうらしい。 日本の統治時代に入って来たトンカツは、すっかり韓国社会に定着して人気の食べ物になっていた。 ということは、トンカツは日帝残滓(にっていざんし)か? トンカスならいいのか。 今回の話はこのトンカツ。 「日本の常識は世界の非常識」なんて言われるけど、韓国の常識もけっこうぶっ飛んでいる。 日本に対する見方はとくに。 このトンカツを韓国人的に解釈すると、どうなるか? これからそれを見ていこう。 でもその前に、トンカツについて簡単に確認しておこう。 トンカツは代表的な和洋折衷料理だ。 トンはもちろん豚のこと。 カツレツはフランス語のコートレット(côtelette