研究者としてのキャリアを維持するため、あえて事実婚を選択していた夫婦。不幸なことに夫は40代の若さで病に倒れ、急逝してしまいます。しかし、未入籍の妻は夫の相続人になれず、自宅マンションの夫の持分は姑のものとなってしまいます。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。 【関連記事】老父の看護に尽くした後妻に「財産隠ぺい」の濡れ衣を着せた、子らの胸の内 研究者カップルの人生設計に生じた、想定外の問題 今回の相談者は、40代の大学教員の山本さんです。事実婚だった夫が亡くなったことで、共有名義で購入したマンションの相続に悩み、筆者のもとを訪れました。 有名大学の研究者としてキャリアを築いている山本さんは、同じく研究職の夫と10年前に共有名義でマンションを購入しました。頭金として同額の貯金を出し合い、各自でローンを組んでいます。当然、持分も