「医者には社会的常識のない人が多い」というのは過去の首相の”迷言”だが、案外当たっているのでは? と思うこともある。医学部生の頃から「医師の常識は社会の非常識、社会の常識は医師の非常識」という言葉を何度か聞き、それに頷いたことも何度もある。ただ、医学部入学前に社会人経験のある僕が同僚にこれを言えば「上から目線」あるいは「自慢話」のようになってしまうので、極力こういったことは言わないようにしてきたつもりだ。 だが、ときには限度を超えることがある。最近、一連のメディアの報道をみて驚きを通り越し「怒り」を自覚するようになった。東京医科大学の入試不正事件である。事件の詳細については各メディアが細かく報じているのでここでは取り上げないが、これは決して小さな事件ではない。BBC(Tokyo Medical University 'changed female exam scores')やCNN(Jap