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ブックマーク / shiba710.hateblo.jp (15)

  • 小さくて弱いもの、疎外されたもの、傷ついたものの側に立つスピッツの歌について - 日々の音色とことば

    スピッツの『ひみつスタジオ』がすごくいい。 これまでのスピッツのアルバムの中で一番好きかもしれない。何度か聴き返して、どういうところが好きなのか改めてわかってきた。 ストリーミングチャートでヒットして新たな代表曲になりつつある「美しい鰭」とか、リード曲「ときめきpart1」とか、タイアップ曲も沢山入っているけれど、たぶん、アルバムの中で最も重要な楽曲は「オバケのロックバンド」。草野マサムネだけでなく、三輪テツヤ、田村明浩、崎山龍男と、メンバー全員が代わる代わる歌う一曲。奇抜なアイディアだけど、これ、“遊び”でも“企画モノ”でもなく、メンバー1人1人の自己紹介的なフレーズと、スピッツというバンドのアイデンティティを真正面から歌ったキーポイント的な曲だと僕は思う。 《子供のリアリティ 大人のファンタジー》 とか 《毒も癒しも 真心込めて》 とか、ほんとにそうだよな、と思う。 この曲から、そして

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    peketamin 2023/05/28
  • NewJeansとアジアと「チョベリグ」な日本 - 日々の音色とことば

    僕が『平成のヒット曲』というを出したのは約2年前の2021年のこと。そこの後書きにはこう書いた。 改めて振り返った今、ひょっとしたら我々が過ごしてきたのは、ある種の「幸福な時代」だったのではないだろうかという思いがある。 もちろん、そう考えない人も多いだろう。バブル崩壊後の経済停滞は長く続いた。二度の震災もあった。書の中でも「失われた」という言葉は頻出している。 それでも、ポピュラー音楽、大衆文化について考える時には、「平成」という言葉は、(たとえば「大正」と同じように)、ある種の豊かさのイメージと共に振り返られるようになっていくのではないかという予感がある。 その予感は、いい意味でも、悪い意味でも、当たったような気がしている。 悪い意味というのは、その「豊かさ」の感覚が、いよいよ失われつつある、ということ。日という国が他の国と比べて相対的に貧しくなっているというのは、たとえば海外

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    peketamin 2023/05/27
  • 「問十二 夜空の青を微分せよ 街の明りは無視してもよい」を、恋文として読み解く - 日々の音色とことば

    「問十二 夜空の青を微分せよ 街の明りは無視してもよい」(川北天華) 数年前にとある高校生によって詠まれ、今もリツイートさ続けている短歌。最初に発表されたのは2011年、京大短歌でのことだという。 この歌を見た時のことは少しだけ覚えている。歌稿に手書きで書かれていた。京大短歌のホームページの「歌会の記録」によると2011年4月15日のことだったらしい。 綺麗な歌だとは思ったが、別に歌会での評価がそんなに良かったわけではなかったことは覚えている。作者はその時歌会に新入生として参加していた。「高校生の時に作った作品で一番評価が分かれた問題作を持ってきました!」と作者が悪戯っぽく笑いながら言っていたことは覚えている。その後、彼女は京大短歌に在籍していたが、年が暮れる頃に休会したいという旨の丁重なメールを送って去っていった。 一首評の記録:京大短歌 ほんとに素晴らしいし、とてもロマンティックな情景

    「問十二 夜空の青を微分せよ 街の明りは無視してもよい」を、恋文として読み解く - 日々の音色とことば
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    peketamin 2022/04/23
  • 星野源とRADWIMPSが対峙してきた「邪悪」について - 日々の音色とことば

    久々のブログ更新。いろいろと〆切を抱えててこっちに書く時間がなかなかとれないんだけど、これはちょっと記録しておかざるを得ないよね。 だって、11月から12月にかけての1ヶ月のうちに僕の観測範囲の中心である日音楽シーンから、素晴らしいアルバムがどんどんリリースされているわけだから。ちゃんと自分なりにそれをどう受け止めたかを書き記しておかないと、流れていってしまう。 そういうことのために僕のブログはあるのでね。 まずはなんと言っても、星野源『POP VIRUS』。まあ年間ベスト級の一枚であることは間違いないでしょう。 POP VIRUS (CD+Blu-ray+特製ブックレット)(初回限定盤A)(特典なし) アーティスト: 星野源 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント 発売日: 2018/12/19 メディア: CD この商品を含むブログ (2件) を見る 三浦大知『球体』と新曲

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    peketamin 2018/12/27
  • ピコ太郎について僕が知っているいくつかのこと - 日々の音色とことば

    Embed from Getty Images 古坂大魔王さん、梅田彩佳さんがMCをつとめるテレビ朝日LoGirlの番組『あやまおうのリニューアルしたよ。』にゲスト出演してきました。 テレビ朝日LoGirl「あやまおうのリニューアルしたよ。」 というわけで。これを機会に、改めてこのブログにも書いておこう。 今年後半、文字通り世界中を席巻したピコ太郎「PPAP」の大旋風。とても面白く、興味深く、そして不思議な現象だった。きっと後から思い返しても「2016年はいろいろあったなあ」の一つの象徴として、いろんな人が鮮明に思い浮かべるんじゃないだろうか。 僕はたまたま当事者に近い場所にいるタイミングがあったので、それも含めて「一体何があったのか」を振り返っていこうと思います。 ■なぜジャスティン・ビーバーに届いたのか? まず8月25日、この動画「PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pe

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    peketamin 2016/12/15
  • アメリカのポップスターは、束になってもトランプに勝てなかった - 日々の音色とことば

    Embed from Getty Images ■二つの世界の分断 アメリカ大統領選の結果が出た。ドナルド・トランプが第45代大統領に就任することになった。 まずは僕自身の実感をここに記しておきたい。リアルタイム実況で赤く塗りつぶされていくアメリカ合衆国の地図を見て、うわぁ、と茫然としたのが正直なところ。大方のメディアの予想を覆す結果になったというのもある。「まさか」というのが第一印象。正直ゾッとした。 クリントン当選確実という報道は事前に広まっていた。支持率調査もそれを裏付けていた。選挙戦を通して伝わってきたトランプのさまざまな醜聞、スキャンダル、荒唐無稽な政策を見て「さすがに大統領に選ばれることはないだろう」と思っていた。けれど結局トランプは勝ち、上院も下院も共和党が議席を握った。事前の見込みはひっくり返った。 けれど、起こったことは事実だ。アメリカの人たちは彼をリーダーとして選んだわ

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    peketamin 2016/11/10
  • 『君の名は。』は、何故ここまでヒットしたのだろうか - 日々の音色とことば

    ■「オタクとリア充」みたいなことじゃない 『君の名は。』を、もう一度観てきた。 www.oricon.co.jp 正直、ここまでヒットすると思ってなかった。興行収入ランキングは3週連続1位。累計では早くも動員481万人、興収62億円を記録している。すごいことになっている。『シン・ゴジラ』も社会現象的なヒットを巻き起こしたけれど、それを上回る成績。評判もすこぶる良い。 なので、今日は『君の名は。』について、ちゃんと書いておこう。僕も試写で観たときには絶賛モードだったけど、ここまでの現象を巻き起こすことは予期してなかった。 なんでこの映画はここまでヒットしたのか? 批評家の東浩紀さんは『君の名は。』のヒットについて、『シン・ゴジラ』とあわせて、こうツイートしている。 シン・ゴジラと君の名は。を見て思ったのは、ひとことで言えば、オタクの時代は終わったんだなということですね。第一世代のガイナックス

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    peketamin 2016/09/15
  • サニーデイ・サービスの新作が常軌を逸している - 日々の音色とことば

    サニーデイ・サービスのニューアルバム『DANCE TO YOU』を、リリースされてから繰り返し聴いてる。すごくよい。最初はピンと来なかったんだけど、何度か聴くうちにどんどんハマってきた。その「よさ」の輪郭がクリアになってきた。 これ、相当ヤバいアルバムだ。ドラッギーだとも言える。ちょっと聴いただけじゃ気付かない。基的にはゆるいテンポのダンサブルなリズムの楽曲が並ぶ、軽やかでポップなアルバムだ。スロウなディスコビート。ファンキーなベースライン。お洒落なエレキギターのカッティング。メロウな旋律に乗せて、曽我部恵一が持ち前の柔らかい歌声を響かせる。 だから「いいアルバムだよね」「ですよね」みたいな感じで消費されてしかるべきだと思う。そんな風に聴かれても何もおかしくない。 が、よくよく耳を凝らして聴くと、ヒリヒリした感触、精神の暗がりみたいなものが透けて見えてくる。 今回のアルバムについてナタリ

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    peketamin 2016/08/09
  • BABYMETALと「第3次ブリティッシュ・インヴェイジョン」の時代 - 日々の音色とことば

    今日はBABYMETALの話。ニューアルバムの『METAL RESISTANCE』がいよいよすごいことになってきている。 聴いた瞬間「名盤!」と直感するクオリティだったけれど、おそらく今年を代表する一枚になると思います。今出てる『ミュージック・マガジン』にはここに至るまでの道程を解説した原稿を書きました。 ミュージックマガジン 2016年 04 月号 出版社/メーカー: ミュージックマガジン 発売日: 2016/03/19 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る が、ここで書くのはそこからの話。 www.asahi.com ニュースにもなっていた。アメリカのビルボード・アルバム・チャートで39位。ハード・ロック部門では2位、ロック部門では5位になっている。日人アーティストがトップ40位以内に入ったのは「坂九以来の快挙」だという。 各国チャートの結果はこんな感じ。 日

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    peketamin 2016/04/15
  • 優越感ゲームから降りられなかったオトナ女子「40歳OL」の正体 - 日々の音色とことば

    photo by Takuma Kimura flic.kr ■自意識の牢獄から抜け出せない理由 今日は与太話。 tokyo-calendar.jp だいぶ話題になってましたね。「東京カレンダー」の連載「東京女子図鑑」。秋田の国立大学を卒業してアパレル企業に就職したというOL「綾」を主人公にしたストーリーが、いろんな方面で物議を醸したりしながら、先日最終回を迎えた。僕はこのタイミングで知って、さかのぼって全部読みました。 おもしろかった。 もう…もはやどこに住むとかじゃない…なんか、暗い暗い!暗いよ!血液ドロッドロな感じだよ!無記名連載でここまでやりきるの、すごいよ。あと、唐突なジェーンスーさんの登場になんかアワアワしてしまう… RT https://t.co/3UrEzlmgzl — 能町みね子と秋の空 (@nmcmnc) 2015, 11月 8 たぶん、冒頭部分にハッとする女の人はいる

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    peketamin 2015/11/09
  • 「フジロックの行方」と「すべてのジャンルはマニアが潰す」という話 - 日々の音色とことば

    行ってきました。FUJI ROCK FESTIVAL ‘15。 今年は珍しくずっと晴れて、快適に過ごせた3日間。楽しかった。なんのかんの言われつつ、やっぱりフジロックには他のフェスとは違う独特なムードがある。僕は年中いろんなフェスに行ってレポを書くような仕事をしてるんだけど、そういう人間からしても、フジロックにはシンプルに仕事抜きで楽しめる「特別さ」がある。 で、今回はそんなフジロックに関しての話。 個人的なベストアクトは何と言ってもトッド・ラングレン師匠だったし、フーファイもミューズもハドソン・モホークも格好よくて大満足だったんですが、そのへんのことは他サイトのライブレポート原稿に書いたので、そちらを。 www.excite.co.jp ここで書くのは、もうちょっとフェス全体のムードとか方向性とか、「なんのかんの言われつつ〜」という部分についてです。正直「よかった、よかった!」だけじゃな

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    peketamin 2015/08/11
    音楽好きの友人はアイドル方面へ去った
  • 「ラッスンゴレライ」はどこが面白かったのか - 日々の音色とことば

    こないだ飲み会で熱く語ってたら「それブログに書いたらいいじゃん」と言われたので書きます。 今回の話は、2015年初頭を席巻したお笑い芸人・8.6秒バズーカーのネタ「ラッスンゴレライ」について。3月23日、デビュー最速となる大阪・なんばグランド花月での単独公演のチケットも即完したとか。あのネタのどこが面白かったのか?という話。でも僕はそこまでお笑いに詳しいわけではないので、あくまで音楽的な切り口から。まずは公式動画を。 【公式】8.6秒バズーカー『ラッスンゴレライ』 - YouTube あれを見て「どこが面白いの?」って言う人、沢山いたと思うんです。たとえばビートたけしが「バカ大学の文化祭」と一刀両断してたり。 news.livedoor.com 松人志が「別におもしろくはない」「これは“曲”ですよ。みんなやりたがる、手拍子したくなる」と批評してたり。 www.oricon.co.jp た

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  • 「一人の政治家が日本中のミュージシャンのクリエイティビティに火をつける現象」に名前をつけたい。 - 日々の音色とことば

    2014-07-06 「一人の政治家が日中のミュージシャンのクリエイティビティに火をつける現象」に名前をつけたい。 「一人の政治家が日中のアマチュア(プロ含む)ミュージシャンのクリエイティビティに火をつける現象」に名前をつけたい。「ムネオハウス系」ということでいいでしょうか。 — 柴 那典 (@shiba710) 2014, 7月 6 というわけで、今回は野々村竜太郎議員の話。もちろんわざわざ「ムネオハウス系」とか言わなくても、「MAD」でも「ナードコア」でもいいんですけれどね(このへんの言葉の違いとか細かい定義とか歴史的な経緯に関しては面倒なので詳しい人に譲ります) まずは振り返り。野々村竜太郎県議が、政務活動費の不自然な支出について釈明会見を行ったのが7月1日のこと。「号泣会見」のニュースは大きな話題になり、そこから数日のうちに数々のネタ動画が投稿された。ここ数日はこれらの動画のお

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    peketamin 2014/07/07
    承認欲求を満たすチャンスなんだろうか。いじめる側がいじめている意識を持つことは難しいことが課題か
  • AirbnbとUberとYelpを使ってNYを旅して思ったこと - 日々の音色とことば

    ■いろんなものを静かに覆していくような力を持った「便利さ」 一週間ほど、ニューヨークに行ってきました。古くからの友人に会ったり、いろいろ充実した旅行だったんですが、そのことは置いておいて。 今回の旅は、別にそれを目指していたわけではないんだけれど、結果的にホテルもタクシーもガイドブックも一切使わない旅行になったんです。代わりに使ったのが「Airbnb」と「Uber」と「Yelp」。どれもアメリカ発でここ数年で急速に拡大したP2Pな宿泊仲介サービスと配車サービス、そしてソーシャルな口コミのサービス。それがほんとに便利で、つくづく世の中変わったなーと思った。最近は日でもサービス展開してるので知ってる人も多いかと思う。というか僕もそれで知った。それぞれ公式サイトはこんな感じ。 使ってみての率直な実感は、端的に、すごく便利だった。そして、それはただ便利なだけじゃなくて、それは従来の仕事のあり方や

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    peketamin 2014/07/02
  • 「一人で聴くもの」としてのCDと 「みんなで楽しむもの」としてのライブ、という話 - 日々の音色とことば

    ■「楽しさ」の理由 今日は、前回の「ポップソングが『閉塞感』から『楽しさ』を共有する時代へ」という話への反響から考えたこと。そして、去年に書いた「J-POPの高速化」の続きのような話。 予想していたことだけれど、前回の記事は「そうそう、確かに」というものから「何言ってんの?」まで、賛否両論というか、かなりパックリと反応がわかれました。 しばなてんさんのこのブログ、凄くすっきりした。私も去年の「恋チュン」あたりからぼやっと感じてたことを整頓してくれていました。 http://t.co/IadYpJ75UH — 佐藤 彩 (@kimiwomatuaida) 2014, 6月 18 「肌感覚レベル」のこの変化、ここ一年くらいで俺もすごく感じてた。実際はどうか分からんけど世の中が明るくなってきてる気がする。街のポップソングが「閉塞感」ではなく「楽しさ」を共有する時代へ/日々の音色とことば: htt

    「一人で聴くもの」としてのCDと 「みんなで楽しむもの」としてのライブ、という話 - 日々の音色とことば
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    peketamin 2014/06/30
    岸田が
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