20世紀は、計画通りモノを生産できた会社は成長でき、予測通りに広告宣伝を成功させた会社が勝ってきた。しかし今の世の中はどうだろう。インターネットによってありとあらゆるものがつながり始めて、不確実性が格段に上がった。これまでのセオリーが通用しなくなったことを実感している企業は多いのではないだろうか。予測通りにいかなくなった今の時代。これまで20世紀の勝ちパターンで栄光を手に入れてきた企業たちは、この不確実の時代をどう生き残ればよいのか。前回に続き、カオス理論を専門とする池上高志 東京大学教授に聞いた。 「全部入り」でないと 消費者の姿は見えてこない 武田隆(以下、武田) 前回、共通原理を探したり、シンプルなモデルを立てたりすることから考えるのではなく、「全部入りラーメン」のアプローチ、つまりそこにあるデータすべてを拾い上げて見ていくことで、初めてわかることがあるというお話がありました。それは