2024年度の東京大学合格者に占める女性の割合は、一般選抜で20%を下回った。学校推薦型選抜(推薦入試)を含めると20.6%だが、男女比「8:2」は世界的に見ると極端に少ない。例えばプリンストン、ケンブリッジ、北京大学の女性比率はほぼ半数。女性が少ない大学と認識されてきたソウル大学でも、女性比率は4割程度だ。なぜ東大だけが変われないのか。この問いは、なぜ日本が変われないかに直結する。 こうした状況に危機感を抱く、現役の東大副学長・矢口祐人教授が『なぜ東大は男だらけなのか』(集英社新書)を上梓した。矢口教授は本書で、日本社会で連綿と続く男性中心の価値体系の歴史をひもといた上で、東大が変わるための具体策を提案する。「男女比率を改善しないと日本の大学と社会は変わらない」と説く矢口教授に話を聞いた。 「東大に入ると結婚できなくなる」といまだに言われる令和日本 ──大学への進学比率は男女ほぼ同じなの