タイムスリップ・メッタ斬り! 「太陽の季節」は本当に芥川賞にふさわしかったか!? 栗原 第二回目の今日はひとつ山場でしょうか。一回分二時間まるごと使って「太陽の季節」を徹底的に再検討していきます! 「「太陽の季節」は本当に芥川賞にふさわしい作品だったのか」ということで「勝手に芥川賞選考をやり直す!」、それから当時の文學界新人賞選評と芥川賞選評を検証して、そして最後に、芥川賞受賞後に巻き起こった「太陽の季節」論争を検分していってみたいと思います。 というわけで、まずは僭越ながら我々二人で「勝手に芥川賞選考をやり直す!」。実際の芥川賞選考と同じく、◎、○、△、×、××の五段階で各候補作を評価していくのがいいですかね。一九五五年度第三十四回芥川賞の候補作は、ドン! こういうラインナップでした。 中野繁雄「暗い驟雨」(『文學者』 一九五五年十二月号) 佐村芳之「残夢」(『九州作家』一九五五年八月