北朝鮮の老若男女すべてが人生の座右の銘にしているとされる詩がある。朝鮮労働党を母に喩えて賛美した『お母さん』という詩だ。 作者は「朝鮮のプーシキン(アレクサンドル・プーシキン)」と呼ばれている詩人のキム・チョルだ。詩は人間の心を情緒的に表現する「神からの贈り物」だという考えから、キム・チョルは政治宣伝の道具になってはならないと主張していた。そのキム・チョルが、なぜ朝鮮労働党を褒め称える詩を書いたのだろうか。 (過去分は以下をご覧ください) ◎「北朝鮮25時」 (https://jbpress.ismedia.jp/search?fulltext=%E9%83%AD+%E6%96%87%E5%AE%8C%EF%BC%9A) (郭 文完:大韓フィルム映画製作社代表) キム・チョルは1933年、咸鏡北道金策市(ハムギョンプクト・キムチェクシ)で生まれた。北朝鮮の現代史に巻き込まれ、挫折を経験した