日本食の柱となる素材をひとつ答えよ。そんな問題を出されたら「ありすぎる!」としか回答できない気もしますが、いま聞かれたら「昆布」と答える気がします。 昆布なしには出汁を柱とした日本の料理の隆盛はなかったでしょうし、日本が世界に冠たるうま味調味料、「味の素」ももともとは昆布から抽出されていました。 うま味の骨格となるグルタミン酸ナトリウムは他の食材の味わいを底上げし、イノシン酸の鰹節と合わせれば感じるうま味は7~8倍にも膨れ上がります。日本食にとって、昆布は欠くことのできない食材です。 もっともこれが「昆布の”本場”はどこ?」という質問となると、こちらは”本場”を定義していない時点で難問どころかもはや悪問です。 代表的な産地といえば北海道ですが、昆布だしを使った食文化の本場といえば、京都・大阪。一方、一人あたりの昆布消費量となると富山ですし、昆布を使った郷土料理が印象的な沖縄に、昆布食文化を