「がんに効く」とうたった本を使って未承認薬を宣伝したなどとして、薬事法違反(未承認医薬品の広告禁止など)の罪に問われた出版社元社長らの初公判が27日、横浜地裁(朝山芳史裁判長)で開かれる。出版社側が同法違反に問われるのは異例で、元社長らは無罪を主張する。裁判では本が広告にあたるかを巡って激しい議論が繰り広げられそうだ。 起訴されたのは、「現代書林」(東京都新宿区)元社長、武谷紘之(72)▽同社編集担当社員、川原田修(58)▽健康食品販売会社「キトサンコーワ」(東京都八王子市)社長、国安春子(65)--の3被告と法人としての両社。起訴状によると、3人は09年8月~今年6月、国の承認を受けていない錠剤「キトサンコーワ」について、医薬品としての効能・効果を記した本を都内の書店で販売するなどしたとしている。 問題となっている書籍「医師・研究者が認めた!私がすすめる『水溶性キトサン』」は02年に発行