世界は過去数週間、ドナルド・トランプ米次期大統領が就任後にどう行動し、どんな政策を取るのかを推測してきた。実業家出身の米大統領としてはハーディング氏やフーバー氏が挙げられるが、あまりにも昔だ。 だが、欧州には参考になる事例がある。イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ元首相だ。 ベルルスコーニ氏はトランプ氏の大先輩といえる。トランプ氏と同じく、不動産で最初の富を築いた。政界入り当初はアウトサイダーだったが、長きにわたって政界内部とも接触を持っていた。 ベルルスコーニ氏も自身をポピュリスト(扇動政治家)としてアピールした。伝統的なメディアや党の重鎮を迂回して、国民と直接コミュニケーションを取り、人気を高めたのだ。 ■意外な長期政権になるか ベルルスコーニ氏がイタリアに何をもたらしたかを知れば、米国や世界にとっての明確な6つの教訓が見えてくる。 第1に、トランプ氏を過小評価してはいけな