千葉県松戸市常盤平の団地で2001年、死後3年が経過した男性の白骨遺体が発見されて以降注目されるようになった「孤独死」。15年以上が経過した今も法的な定義はなく、行政も実態の詳細を把握できていない一方、独自に取り組みを進める自治会は少なくない。千葉、松戸両市の団地を訪ね、対策の現状を取材した。【秋丸生帆】
いま日本は「孤独死大国」になろうとしている。国立社会保障・人口問題研究所の調査で、生涯未婚率が過去最高を更新したとメディア各社が報じた。生涯未婚率は50歳時点で未婚である人の割合を示す。その後、結婚をすることになる人もいるが、まだ少数派。また、配偶者や子どもがいても、「おひとりさま」になることもあるだろう。つまり、誰にとっても「おひとりさま」は他人事ではないのだ。 そこで、懸念されているのが、家で亡くなって死後何日も遺体が発見されないという「孤独死」というデッドエンドだ。民間のシンクタンクであるニッセイ基礎研究所の調査によると、孤独死の数は年間3万人。 そんな悲劇が実際に身内に生じたらどうなるのか。父親の孤独死に直面した会社員の徳山和也さん(仮名・55歳)の生々しい経験をもとに、“縁なき社会”の現状を追った。(ノンフィクション・ライター 菅野久美子) ●アル中、借金、35年会っていな
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