精神疾患の治療法として注目される認知行動療法を、スポーツの成績向上に生かす試みが始まった。選手たちの心理的負担や過剰な不安を軽減し、持てる力を十分に発揮できるようにする。先駆的に導入し、成果をあげる桐生第一高校(群馬県桐生市)の取り組みを紹介する。(佐藤光展) ■不安症などに効果 認知行動療法は、過剰なストレスを招く考え方のクセに気付き、視野を広げて多様な見方ができるようにする方法。嫌なことがあった時、その状況や自然に頭に浮かんだ考えの根拠、別の見方などを所定の様式に沿って順に書き出す「コラム法」(認知再構成法)や、直面した問題を解決するための考え方などを習得する。うつ病や不安症などで治療効果が示され、近年、国内でも普及してきた。 同療法には、日常的に生じる気分の落ち込みや不安を軽減する効果もあるため、簡略化した方法を健康な人にも行う動きがある。この利点をスポーツの分野でも生かそうと