「届いた?」「まだなんだよね」。全国の職場でこんな会話が交わされていることだろう。11月中に全世帯にマイナンバーを届けると政府は宣言していたが、23日現在、通知カードの配布率はわずか50%にすぎない。 まだかまだかと気になるマイナンバーだが、これに戦々恐々としている人たちがいる。中小・零細企業の経営者だ。この12桁の個人番号に加え、同時に配布が始まった13桁の法人番号によって、厚生年金などの社会保険の未加入が炙り出されてしまうのだ。社会保険労務士の北村庄吾氏が解説する。 「国税庁が把握している法人事業所数は約250万社。一方、厚生労働省によると、厚生年金の加入事業所数は約180万社なんです。つまり、差し引き70万社は、ほぼ厚生年金に未加入ということになります」 これまで、厚生年金に加入していない企業を炙り出すことは困難だった。国税庁、日本年金機構、厚生労働省のあいだで、情報を共有できなかっ