外国人の訪日観光客が急増するなか、旅行保険に加入せず入国する人も多く、滞在中にけがや病気で多額の医療費がかかり、返済に窮するケースが報告されている。手術費などで1800万円かかった例も。医療費を滞納したまま連絡がとれなくなる事例もあり、観光庁は保険加入を呼びかけている。 日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人観光客は2011年の約4倍の約2400万人。外国人観光客を対象にした観光庁の13年の調査では、4%が旅行中にけがや病気をし、うち約4割が病院に行った。全体の約3割が、旅行保険などに入っていなかった。増加する途上国からの海外旅行者が、旅費をできるだけ抑えようとする実態などが背景にあるようだ。 保険がなく、医療費を払えないケースも目立ち始めた。近畿運輸局の調査によると、回答した大阪府内147病院のうち、昨年5~7月に20機関(27件)で未払いが発生し、総額は1500万円を超えた。急病で6