Rebiya Kadeer with Alexandra Cavelius, Dragon Fighter: One Woman’s Epic Straggle for Peace with China, Kales Press, 2009 “ウイグルの母”ラビア・カーディルは、中国政府による苛酷な弾圧から逃れたウイグル人亡命者の組織・世界ウイグル会議の主席を務めている。本書は、彼女へのインタビューをもとに物語風に再構成された自伝である。巻頭にはダライ・ラマから寄せられた序文が掲げられている。 政策として行なわれた強制移住への戸惑い、貧困、必ずしも望んだわけではなかった銀行幹部との結婚、文化大革命、そして離婚。漢人優位の社会体制や女性の立場の低いウイグルの伝統的な考え方の中、公的な教育を受ける機会のなかった彼女にとって状況は最悪であった。しかし、自立心の旺盛な彼女は洗濯屋を皮切りに、試行錯