犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法の改正案を、政府が21日に閣議決定する見通しだ。共謀罪の法案は2000年代に3度国会に提出されたが、「市民団体や労働組合も対象になる」などと批判が相次ぎ、いずれも廃案になった。当時の議論にかかわった人たちは、今の状況をどう見ているのか。 「対象犯罪の絞り込みが不十分。このままではまずい」と話すのは、弁護士の早川忠孝・元自民党衆院議員だ。「共謀段階での処罰は、日本の法体系では極めて異例で、懸念があるのは当然だ。払拭(ふっしょく)する必要がある」 05年に3度目の法案が提出された際は、衆院法務委員会の理事として議論をリード。その後の07年、党法務部会小委員会で事務局長として、対象犯罪を123~155まで絞った修正案をまとめた。今回、閣議決定する法案では277。「せめて議論の出発点を当時の修正案まで持ってきて欲しい」と願う。 「