2020年夏季五輪開催を目指す東京招致委員会の竹田恒和理事長が、ブエノスアイレスで開いた記者会見で「福島とは離れている。東京は安全だ」と発言したことに、東京電力福島第1原発事故に苦しむ福島県民から「東京が安全ならいいのか」「差別的だ」と反発の声が出ている。 竹田理事長は、4日の会見で原発事故について「東京は水、食物、空気についても非常に安全なレベル。全く懸念はない」「福島とは250キロ離れている」と述べた。 「『東京は安全』と強調するのは『福島の現状はひどい』と認めるということ。ならば、なぜ2年半もの間、ひどい福島を放置してきたのか。ばかにしている」。福島市から東京都練馬区に自主避難している主婦二瓶和子さん(37)は憤る。会社員の夫は福島に残り、幼い娘2人を抱え生活を続けている。 原発事故は、国が原子力政策を推進してきた末に起きた。安倍晋三首相は五輪招致の訴えに臨むが、二瓶さんは危機的な状