何をしてもいいのに、何もすることがない。 だから、没頭したい、打ち込みたい……。 でも、ほんとうに大切なのは、自分らしく、 自分だけの生き方のルールを見つけること。 400頁を越す本書をつらぬく著者の関心は、「人間らしい生活とは何か?」です。 パスカルの有名な断章「部屋にじっとしていられないから、人間は不幸を招く」を皮切りに、文化人類学、考古学、経済学、消費社会論、動物行動学、そして「退屈論の最高峰」と著者が考えるハイデッガーの「形而上学の根本諸概念」を渉猟し、答えに接近します。 平易な文体、熱く勢いある思考が、ポジティブで自由な可能性を拓きます。 「わたしたちはパンだけでなく、バラも求めよう。 生きることはバラで飾られねばならない」 ──このウィリアム・モリスの宣言を正面から受けとめ、現在と未来に生かそうというのです。 潑剌と、明るく、しかも、哲学的な根拠をもって、「私はこう考えた。みな